桜田通りの竹岡式ラーメン「梅乃家」にお邪魔するたびに気になっていたもう一軒が、その「梅乃家」裏手のお店。
歩道に置いたA看板には、「ムーリー麺」。
なんだか不思議な響きのメニューであるね。
「梅乃家」の脇道を覗くと、赤い幟と赤提灯。
路上のA看板なくしては気づかれもしない物件への勇気ある出店だ。
コンニチハっと暖簾を潜ると、
どこに座ったらいいやら、なんだか所在なくも勝手が違う風。
すると、どうぞ下へと指先が招く。
なるほど、階下が客席となっているようです。
鋼製の階段をカンカンと下りた先は、コンクリート打ちっぱなしの壁に、それじゃぁ余りに殺風景だろうと葦簀を下ろしたりした風情がどこか学祭の模擬店のよう。
鶏×魚介スープの「純塩ラーメン」とか、懐かしき荻窪イメージだという「東京醤油ラーメン」という手もあるようだけど、なによりやっぱり気になるのは、店名にも冠する「ムーリー麺」だよね。
テーブルのメニューによると、「ムーリー麺」は、「骨をつかわず、鶏・豚・牛の肉と野菜を8時間かけて摂ったスープに広島産牡蠣をはじめとする魚介出汁をかえした塩らーめん」だという。
受け取ったどんぶりは、所謂中華そばの装い。
でも、スープの色味は、黄土色というか、鬱金色というか。
どれどれと啜るスープは、やたら胡椒が利いていて、めっちゃ塩辛い。
塩らーめんは、利き過ぎているくらいに塩ぎゅっと利いてることが少なくないけど、それにしても塩辛い。
血圧が上がってしまいそう(笑)。
それで、肝心の牡蠣の風味が感じられるかというと、そう考えじっくり探せば、それもそこにあるような、そんな感じ。
例えば、牡蠣を湯掻いて平らげた牡蠣鍋のあとのスープのようなものだとすれば、繊細な風味であるはずで、残念ながらそれを活かそうとしたバランスのスープではありません。
そんな梅雨時の初訪問を振り返りつつ、再び訪れた「梅乃家」裏。
やっぱりあんなに塩辛い仕立てなのだろうか、という疑問がひとつ。
そして、真牡蠣が本格的に流通する頃のスープはどうか。
少しテーブルの配置の変わった地下の部屋。
改め受け取ったどんぶりは、茹で玉子の配置こそ違えど、ほぼ同じ表情でやってきた。
どれどれと蓮華を動かす。
うむむ、比べれば前回程ではないにしても、やっぱり塩胡椒が妙に強い。
胡椒で啜るラーメンを以前から卑下してみてきたことが重なって、
やっぱりちょっと残念な気分
に。
ここまで胡椒を利かせなければいけないのかなぁ。
ストレート細麺の具合は悪くないのに、な。
高輪台は、桜田通りから脇に隠れたラーメン店「ムーリー亭」。
店名に冠した「ムーリー」は、「牡蠣」の中国語読みに由来するらしい。
そうか、そうであれば尚更、牡蠣を上手に活かしたどんぶりに進化させて欲しいなぁと思うのでありました。
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「ムーリー亭」
港区白金台2-26-13 オクトビル
[Map] 03-5422-8590
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