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地物産品御料理処「根ぼっけ」で根ぼっけ刺身ちゃんちゃん焼き三平汁名は体を表す

およそ6年振りの函館。
初日は、函館空港から程近い湯の川温泉の温泉割烹宿に逗留して、温泉に浸かってほのぼのしているサル達を眺めたり、街中を散策したり。
夕食後には長躯タクシーで函館山に登ったものの4月にして強烈な寒風吹き荒ぶ山頂に短い滞在となる。
でも、空気は澄んでいて、煌めく夜景を久し振りに眺め遣ることができました。

まさに6年振りに訪れた五稜郭は、
生憎の曇天だったけれど、
満開真っ盛りの染井吉野が星形の城郭を囲む様子が、
タワーからたっぷりと俯瞰できた。 日を替えてふたたび寄り道して、
土塁の上へと駆け上がる。
漸く訪れた函館の春の陽差しとともに、
蒼空の下の五稜郭の桜を堪能して大満足(^^)。

函館市街でお世話になったお宿は、
重要伝統的建造物群保存地区の赤レンガ倉庫群の中。
「NIPPONIA HOTEL 函館 港町」は、
赤レンガ倉庫をリノベーションした全9室のホテルだ。 ホテル最寄りの電停、
十字街から乗り込んだ函館市電は、
函館駅前で右に急カーブして、松風町電停へ。

“単に海鮮を謳う店ではない函館魚介のお店”を思案して、
お邪魔したのが、地物産品御料理処「根ぼっけ」。
生け簀2台を回り込むようにしてから靴を脱ぎ、
蔵を改造した様子の小座敷に上がり込みます。

まずはやっぱり、「根ぼっけの刺身」。
“根ぼっけ”とはその名の通り、
真ホッケが回遊せずに海の棚や岩礁などに居付いて、
根魚化したものを指すという。 ホッケは足が早くて、生のホッケとなると、
首都圏では口に出来ないのが通り相場なので、
なんだか少し、恐る恐る口に運ぶ格好になる(^^)。

ただそんなことは束の間の杞憂に過ぎず、
一切のくさみなく澄んだ旨味と脂の甘味が、
なるほどホッケ独特の香気とともに口腔を満たす。
うんうん、美味しい美味しい。

倶知安町のニ世古酒造の米焼酎と一緒に届いたのは、
「幻の幸神めぬき刺身」。
“メヌキ””メヌケ”は、”目抜”の意で、
メバル属の海水魚のうち、
体が赤く、大型になるものの総称。
アカウオなどの深海魚が、
釣り上げられた際の水圧の急激な変化により、
目が飛び出すことからそう呼ばれているという。

なるほどー、深海魚ってやっぱり旨い。
それが、”幻の幸神”とされる程の稀少なものが、
見るからに最高の鮮度で供されたのだもの、
なんだかもう、感謝の気持ちが生まれてしまいます(^^)。

透明な烏賊が食べたい、
そしてそこに生け簀があるのならと、
「活けやりいか刺身」をご註文。 その透明感を愛でつつ、早速箸を伸ばす。
コリっというより、シャクシャクっとした歯触り。
そして、穏やかな甘さが広がっていく。
いいね、こうでなくっちゃね。

鮭のちゃんちゃん焼きをつくってくれた、
倶知安町出身の友人のことを思い出しつつ、
「根ぼっけのちゃんちゃん焼き」。 根ぼっけの深海魚的白身の旨さが、
白味噌の甘味に引き出される様に倍加する。
ニ世古の焼酎、お代わりください(^^)。

聞きなれない食材の名前に惹かれて、
お待ちかねの「アイヌネギ天ぷら」。 “アイヌネギ”とはつまり、行者大蒜のこと。
北海道の早春に採れる山菜と聞き、
墺太利の森の中に自生していた様子を思い出す。
朝市で探して、買って帰りましょう。

最後に汁ものが欲しくなって、「根ぼっけ三平汁」。 根ぼっけの旨味が存分に滲み出した様子の汁。
しみじみと美味しいね、と顔を合わせます。

函館市電は松風電停近くの松風町に、
地物産品御料理処「根ぼっけ」はある。 名は体を表す、店名の通りそのまんま。
根ぼっけを活かした料理を軸として、
生け簀から取り出したばかりの魚介や、
地物食材のあれこれがいただける。
店名に釣られてお邪魔して、
ホントによかったなとお店を振り返りつつ、
ふたたび赤レンガ倉庫へと戻るのでありました。

「根ぼっけ」
北海道函館市松風町8-19 [Map]
0138274040
http://www.nebokke.jp

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