店内は、4人が腰掛けられるベンチ椅子形式のテーブルが4卓。 テーブルも椅子も白木の造作で、それが柔らかな印象を与えてくれています。 まずはやっぱり(笑)、「カキフライ定食」。 厨房からの揚げ音が、じゃーぴちぴちっと聞こえてくる。 そしてその音は、ゆるやかに調子を上げていくます。 懐かしの洋食屋さん的にステンレスの楕円皿でそれは届く。 フライの数は、二の四の六個。檸檬をささっと搾り、ふふっとしてからやおら、齧りつきます。 ああ、いい。 衣細やかなタイプで、牡蠣エキスの封じ込めに適ってる。 ほんのもう少し、迸るような旨みの弾けがあればと過度な求めをしてしまうけど、 それは過剰な期待というものでしょう。
そして、「万平」の牡蠣料理のもう一方の雄が、「カキバター焼き定食」。つやつやと飴色にも思う、そそる景色に仕立てられた牡蠣のつぶ。 むほっと齧りつけば、ミネラルが昇華したような牡蠣の旨みとバター醤油の風味が渾然一体となって、堪らん感じ。 ご飯は勿論、いろんなお酒にぴたっと合ってしまう、きっと。 例えば、「新富 煉瓦亭」がそうであるように、 「カキフライ」にするかはたまた「カキバター焼き」にするかは、 今後も悩むことになりそうです(笑)。
神田須田町の路地裏にひっそり佇む、とんかつ・洋食の店「万平(まんぺい)」。「ハンバーグ定食」などなど他のメニューも気になるので、 温かくなったらまた足を運んでみなくっちゃ。 オバちゃんに、なんで「万平」という店の名前なのか訊ねたら、 「あ、あのね、お店の誰かの名前となじゃなくってね、昔誰かがそうつけてくれたの」という意外と素っ気なくも不思議なお応え。 もしかしたら、語るに語れない物語があるのかもしれません。 口 関連記事: 洋食元祖「新富 煉瓦亭」で 超揚げ立てカキフライあぁ至福の時(11年02月)
「万平」 千代田区神田須田町1-11[Map] 03-3251-4996
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