玄蕎麦「野中」

nonaka.jpg駅から離れた練馬の住宅地。長閑な五月の陽射しがまだ暮れない夕方にお邪魔したのが、その住宅地の一辺に静かに佇む「野中」さんです。黒塀には“そば”と象った焼き物が埋め込まれているね。端正で涼しげな印象の店内。右手奥のテーブル席へと案内されました。黒豆のお茶を啜りながら眺めるお品書き。その一葉に能書きを添えて記されているのが「手挽き田舎蕎麦」と「淡い緑の荒挽き蕎麦」です。蕎麦の淡い緑色なんて拝んでみたいなぁ~と訊いてみると、曜日を違えての限定で、お昼で既に仕舞いとなっているそう。そっか、一躍昼営業の一番に訪れなきゃいけないってことか。然らばとお願いしたのが、「せいろ二枚重ね」。瑞々しさを纏いながらきりっとした腰つきを魅せてくれる。たおやかでありながら凛とした力強さも感じさせる蕎麦に、ずず、ずずと二枚を一気に啜ってしまった。清澄な表情をも持つ辛汁が上手に寄り添う感じも、いい。そば湯がちょっと愛らしい器でやってきました。それを見て、あ、同じ風合いのお猪口でさらっとした日本酒も啜りたかったなと想い出す。車なのが残念だ。そうそう、折角の山葵ですが、蕎麦屋では最近めっきり使わなくなりました。 「野中」 練馬区中村2-5-11 03-3577-6767
column/02218

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