column/02219
つきじ「魚惣」で おっとり所作と上品仕立ての深川丼と
その先は海幸橋へと至る築地六丁目交叉点近く。
奥ゆかしい表情で揺れる「つきじ魚惣」さんの暖簾を見つけました。
小料理屋然としたカウンターにテーブル席。
ちょっと早いのか先客はありません。
女将さんなのでしょうか、おっとりとした所作の女性が注文を尋ねます。「なんになさいます?」。
「今日の焼魚はなんですか?」と訊くと、「焼魚はなんですかー?」と厨房に声をかける。
「焼魚は鰆だよ」。
「…とのことです」。
「では、お刺身は?」。
すると「お刺身はなんですかー?」と再び厨房に。
「鮪だよ」「…だ、そうです」。
ははは。
あらかじめ確認しといてよぉとは思うものの、ひとごとみたいに告げる感じが微妙に脱力で、
面白いなぁ。
勢い、その並びに書いてあった「深川丼」を注文していました。
色々なモノが雑然と置かれたカウンター越しに手鍋を動かしている様子が窺えます。
どんぶりがやってきました。
「つきじ魚惣」の「深川丼」は、どちらかといえば醤油系。
浅利の風味を活かすかのように過分のないさらっと上品な仕立てです。
うんうん。同じトーンであれば味噌仕立てでも悪くなさそうだけど、猫マンマ的方向にブレる可能性を孕んでいるもンなぁ、でもそれはそれでいいかもなぁなどとレンゲによそったひと口を眺めながら思ったりする。
すすっと完食。
おかあさん、ど~も。
店頭のお品書きを見直して思う。
「浅蜊みそ雑炊」ってのもあるンだね。
「つきじ 魚惣」 中央区築地6-5-4 大哲木村ビル1F [Map] 03-5565-8652