昭和通りからほんの一本入った木挽町仲通り。階段幅の僅かな間口に静謐にして控えめな表情を窺わせるお店がありました。壁際の冊子に「<ご昼食>鯛茶漬け」の文字を見つけて、様子を確かめるように階段を降りてみる。「鯛茶漬けになりますが、よろしいでしょうか」。勿論です。十数名がゆったりと座れるカウンターに案内されます。既に5人ほどの先客が箸を操っていました。先ずはかぶと煮が届きます。試しに目ン玉も食べてみると、濁りのないクリーミーなお味。ふむふむ。右手の小皿には、四角い御餅状のものにおろし山葵がのせられている。無造作に歯を入れると、薄い外皮の香ばしさの中にとろんとした食感が含まれていて、旨い。まさか白子ではないよなぁとしげしげ見つめていたら、「胡麻豆腐の焼物です。熱を入れない胡麻で作っています。」と助け舟。なるほどぉ、面白いね。さてさてメインの鯛茶がやってきました。「そのままで召しがっていただき、あとでお茶漬けにしていただくと、違ったお味が楽しめると思います」。早速、とろりと濃厚な胡麻ダレに浸かった鯛の身を少量の山葵とともにご飯にのっけてcolumn/01956


