清瀬駅から小金井街道を南下して、徒歩凡そ10分強。 野火止用水に沿って右折して、 移転前の手打ちうどん「福助」があった辺りを通り過ぎる。水辺の雰囲気にやや乏しいのがちょっと残念かもなぁと思ったところで、 “武蔵野名物”と謳うA看板が見えてきました。
いらっしゃいませ、と揮毫された暖簾からこんにちは。奥のテーブルに座って眺める店内は、 朴訥とした外観の印象に違わぬ気の置けない雰囲気です。
武蔵野うどんは、まずそのボリュームを決めるべし。 「みんなのうどんや」では、ミニ、小、中、大、特盛がラインナップ。 それぞれ3玉、4玉、5玉、7玉、8玉となっている。 女性基準が4玉の小、男性基準が5玉の中と目安を提示してくれているのが、 正しい気遣いだ。
やってきたのは、「武蔵野うどん」中盛りのミックス。ミックスというのは、刻み海苔トッピングと掻き揚げを添えたもの。
湯気を上げるつけ汁の器には、当然の如くバラ肉が浮かぶ。小皿には、刻み葱やおろし生姜はもとより、 “糧”として湯びいた菠薐草あたりが載ってくるのもまた武蔵野うどんの定番だ。
微妙な不揃いや捻じれなど、 如何にも手打ちの表情をみせるうどんは、地粉色。鷲掴みするように箸を動かして、どっぷり漬けた汁諸共、啜り上げます。 ああ、いいね。
量感と背中合わせのコシつきは、讃岐のそれとは明らかに違う。 うどんはコシがあってナンボと考えているヒトには、素直に伝わらないかもしれないけれど、 わしわしと地粉を味わうのが武蔵野うどんの醍醐味であることを再確認できました。
「きくや」との縁があると聞けば納得の正統派武蔵野うどんの店、 その名も「みんなのうどんや」。武蔵野うどんってなんやねん、という方のために、 店頭と店内に掲げた武蔵野うどんの説明書きの一部を記しておこう。
武蔵野うどんは、お祝い事やお祭りなど、人が集まる際には必ず振る舞われ、それぞれの家庭の味として代々受け継がれてきました。 国産小麦100%で作られた地粉、名水と謳われる上質の水、ゆっくりと時間をかけて水と掛け合わされた塩。 これらの素材を練り上げた生地が、すっかりおいしくなるまでじっくりと寝かせます。 茹でたて麺を冷水で締め、たっぷりの肉汁に浸して食らう。 うどんそのものの旨さを存分にお楽しみください。
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「みんなのうどんや」 清瀬市竹丘1-3-13 [Map] 042-493-5245
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