ホテルから乗ったタクシーは、
具志堅用高記念館の前を通って、
海岸線に平行して東へと進みます。
打ち水のされたアプローチから邸内へと折れ入る車。
今夜のご一献にとやってきたのは、
八重山郷土料理の店「舟蔵の里」です。
そうと気づかずに、さっきまでお世話になっていたダイビングサービスのご近所にまた戻ってきてしまったことが可笑しくて、笑いながら佇むは、赤瓦の門の前。宴の場となるのは、同じく赤瓦が守る古民家(カーラヤー)。 暖簾を払って、木の扉を引くと、 やや遠くで聞こえていた三線の音と謡いの声が身近に聞こえてきました。 座敷は既に多くの先客たちで埋まっています。
案内された座卓のすぐ脇には、 外からも聞こえていた三線の音色と八重山民謡を唄う声の主。
口開きの酒肴は、「パパイヤとオオタニワタリ新芽のごまよごし」。
メニューに「ギーラドーフ」なる、初めて拝見する一節がある。 しゃこ貝の肝、生がきに似た珍味中の珍味、との説明書き。 なるほど、見た目は牡蠣のようでなくもない。
そして、やっぱり気になるのが、定番の「どぅる天」。
「請福」のグラスを舐めなめ、改めてメニューを眺めると、 「のこぎりがざみ」が載っているのに目が留まる。 お値段1,500円より。 ご存知マングローブカニもあったり、なかったりするのだろうなぁと訊ねると、 小さいものでよろしければあるのですが、とのこと。
それはどうなんでしょうと(笑)、「石垣牛もつ煮」。
酒瓶を背にしたカウンター席で唄っていた御仁が、 ケースに仕舞った三線を手に背中を向けたのが目に留まる。 こちらもそろそろお暇しましょう。
市街地から離れ、ゆったり素朴に過ごせる、八重山郷土料理の店「舟蔵の里」。
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「舟蔵の里」 石垣市字新川2468-1[Map] 0980-82-8108 http://www.funakuranosato.com/
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