街道を走る車窓から「山田うどん」の看板やお店を何度か見掛けたことがある。
そんなことがあったからか、山田うどんはきっとあちこちにあるんだなぁとぼんやり思ったことを思い出す。
一時、所沢駅前のビル地階にあった「かかしラーメン」も「山田うどん」のフランチャイズらしいと知ったのは、高校生になった頃だったでしょうか。
そのあたりになってやっと、同級生のあの山田くんが「山田うどん」の創業家のご子息と知って吃驚することになるのです。
そう云えば、小学校高学年になった頃、山田くんのお誕生会にお呼ばれして、親御さんからプレゼントされたであろうサンダーバードの基地の模型を羨ましく眺めた、なんてこともありました。
或る日、所沢街道を田無に向かっていた途上、全生園の前を通り過ぎた辺りで「山田うどん」の看板を認めた。
そうそう、ぐるぐる廻っている黄色と赤と緑色のあの看板。上安松にある本店や同じ所沢街道沿いの南町の店には寄ったことがあるけれど、ここには寄ったことがないなぁとハンドルを切りました。
U字型の島がふたつあり、右手にはテーブル席がある。ラウンドさせたカウンターの木端に積年の疵や凹みがあって、古びたバーカウンターのような年季を感じます。
ふと見上げた額装には、「山田の心」なる書が認(したた)められてある。みっつ並んだ訓辞のひとつには、こうある。
“優れた味をより安く早く一人でも多くの方に奉仕することを心掛けよう”
このあたりにも「山田うどん」が目指すところが窺えそうです。
ここはやっぱりと「肉汁うどん」、そして久々に「パンチ」をお願いしました。笊の上に載ったうどんは、つるつるうどん。
セントラルキッチンの「山田うどん」ではきっと、「カトキチ」の冷凍うどんと同じく冷凍されて各店舗に配送され、それを湯掻いたものなのでしょう。
どこの産地の小麦粉を使っているかは判りませんが、大量生産に向いた粉を使っているものと思われます。
肉増しでお願いしたんだっけと見紛うほどに、具沢山の肉汁が嬉しい。武蔵野うどんのお店では、醤油も強い辛め濃いめのつけ汁にすることが常なのだけど、「山田うどん」ではそんな塩辛い汁にはしない仕立て。
守備範囲の広い、オールマイティな仕様をきっと意図しているんだね。
そんなこんなで、啜り上げるうどんは、武蔵野うどんをいただいてる気分で啜ると当然のように物足りない。いやでも、武蔵野うどんであるなんて「山田うどん」はひとことも云ってない。
なにより早くて安いことも念頭に、「山田うどん」は「山田うどん」だと思って啜ればあら不思議!
細かいテクスチャは置いておいて、これはこれでと腑に落ちて、満足顔になるのです(笑)。
「山田うどん」といえば、山田名物と謳うもつ煮込み「パンチ」がある。どう考えてもこれは、ホッピーと一緒にツマミたい(笑)。
郊外の街道沿いに店舗が多いことを考えると、車で来ちゃってるもんなぁと残念がるオトーサンが沢山おられることと思います。
ま、もっとも、「山田うどん」にはホッピーの用意はないけどね。
そうそう、そんな「山田うどん」には、「ナポリタン」や「生姜焼き」もあったりする。区内唯一の店舗、蒲田店では、ジンちゃん、ナポちゃんが当然のように実食済だ(笑)。
関東一円の街道沿いに180店ほどを展開するうどんそば「山田うどん」。中学卒業以来残念ながら会う機会のない同級生の山田くんは今、代表取締役社長になられている。
目まぐるしい淘汰の嵐の外食業界にあって、色々な苦労が絶えないものとご推察いたします。
毎日お疲れさま!山田くん。
えのきどいちろうと北尾トロ著作の「愛の山田うどん~廻ってくれ、俺の頭上で!!」は、必読の書ですよ、皆さん。
同書第2弾の「みんなの山田うどん: かかしの気持ちは目でわかる!」も読まなくちゃだ(笑)。
「山田うどん」青葉町店
東村山市青葉町1-23-4 [Map] 042-396-0662
http://www.yamada-udon.co.jp/