
齢ウン歳ともなれば、それはそれでお年頃。
なんだかんだで心身にはいろんな澱も溜まる。
ここもまたお肌の曲がり角だと想ったりもする(笑)。
そうだ、ここは一丁、
お伊勢さんにお参りいたそうではないかと膝を打つ。
早速、週末の近鉄特急の予約を試みるも、
人気の観光特急「しまかぜ」は、やはり満席。
伊勢志摩ライナーのサロンカーの席を確保して、
近鉄名古屋の改札へと向かいました。
コンパートメントちっくな対面のサロンシートは、
窓が高くゆったりとして、いい。

煌めく陽光に照らされた車窓の景色を眺めつつ、
うつらうつらとしているうちに伊勢市駅に到着。
変身モノのキャラクターみたいな顔だとなぁと思いながら、
サロンカーの黄色い車体を見送ります。
外宮に赴く前にまずは腹拵えと、
JR側に改札を出て、月夜見宮方向に向かう昭和通りという道を辿る。
右手に「名代伊勢うどん」と示す壊れかけたアクリルの看板が見えてきました。
店内はもう、ほぼ満席。

女性のお客さんも多いようにお見受けします。

壁のお品書きには、伊勢うどんのあれこれが8種類に、
「うすうどん」をはじめとする「うすくちうどん」や「きしめん」なぞが並んでる。
さて、シンプルに行こうか、欲張りにしようか、そこが思案の為所だ。
結局欲張りに走ってしまったら、
こんな贅沢な伊勢うどんのどんぶりをお迎えすることになりました(笑)。

「ごちゃいせうどん」には、麺を隠すでもするかのように、
刻んだお揚げに蒲鉾、お麩、海老の天麩羅に牛肉、薬味の葱なぞがごちゃっと載っている。
案の定、ごそごそとそれら具材の下からうどんを引っ張り出すこととなって、
やっとのご対面。

汁をよく纏う麺は、ふわっとしつつ撓やかな感じ。
昆布系の出汁にたまり醤油が意外とさらっと利いた汁なのでありますね。
やっぱり、伊勢うどんは、せいぜい月見かきつねくらいにしておくのが、
実直な向き合い方であるなぁと省みながら向かいのどんぶりを表情を反芻する。

薬味だけの「伊勢うどん」が淳素にして、乙だなと改めて想ったりなんかして(笑)。
昭和初期の創業という名代伊勢うどん「山口屋」は、老舗ながらの自家製麺。

うどんの食感もたまり醤油の汁もお店によって、
やっぱり当然違いがあるのを教えてくれました。
「山口屋」
伊勢市宮後1-1-18 [Map] 0596-28-3856
http://www.iseudon.jp/
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