
伊勢神宮の外宮、内宮とお参りして、
居酒屋「一月家」、餃子「美鈴」を訪ねた日の夜は、
駅と外宮の中程にある旅館のお世話になりました。
伊勢市街は、お伊勢参りへと沢山のひと達が大挙してやってくるというのに、意外と宿泊施設が多くない。
やっとこ見つけた旅館は、
朗らかマイペースなおばちゃん営む宿でありました。
お宿には素泊まりであったので、夕食はもとより朝食も付いてない。
そこで、おばちゃんに「朝飯、行ってきます~」と声を掛けて、
朝の少々ひやっとした空気の中へ繰り出しました。
ガンダムの待つ高柳商店街の喫茶店のモーニングもいいねと思うも、
まだ営業していない。
ここはやっぱり前日に認めたあの店で朝食をと、
伊勢市駅から外宮へと真っ直ぐ伸びる外宮参道を駅方向へと向かいます。


駅からすぐの角地にあるお食事処「若草堂」は、
朝の6時半から営業しているのです。
覗いたショーケースは、
埃を被り変色したサンプル達がなかなか無惨な状況に置かれてる。

左隅で焦げたソフトクリームの隣で崩れ落ちているのは、
もしかしてケーキの類でありましょか(笑)。
恐る恐る闖入した店内にひと影はなし。

ただ、雑然とした様子は余りなく、
古き食堂に嘗てちょっと気の利いていた調度が設えてある感じ。
真珠ムードのパールコーナー新設!!を知らせるプレートに導かれて、
こっそりその一角を覗くと、
壁に真珠層を切り抜いたようなシートが沢山貼られてる。

いつ頃新設したものかは訊けませんでしたが(笑)、
ここでのテレビ番組の収録もあったようです。
ここで、改めて厨房らしき方向に声を掛けると、
ゆっくりと女将さんらしきおばさまがご登場。
お品書きには、
ずららっと100品を超える数のメニューが並んでいて迷わせる。

モーニングサービスの「和定食」か、
折角なので朝から奮発して「お伊勢参り定食」か。
いっそのこと、「伊勢海老ラーメン」「伊勢海老カレー」、「伊勢海老そば」か。
伊勢海老に”ロブ”と手書きで添えてあるのは、
近海の伊勢海老とはちょと違うという但し書きでありましょか。
うーむと悩んで、前日の「山口屋」に引き続き、
こちらでも「伊勢うどん」をいただくことに。
振り返って見つけた「御案内」看板がいい表情。


その横にも庭を見渡すテーブル席があり、
その窓辺には順番の違うトリコローレなテントの庇。
そして、広間や家族室が今も二階にあるのか、気になったりいたします(笑)。
なかなか凝った意匠だよねと床を眺めているところへ、
おばさまが「若草堂」と筆文字の入った長角の膳を届けてくれました。

矢張り、伊勢うどんには、シンプルな盛り付けが一番似合います。
たまり醤油のつゆがほとんど見えない、
その程度は今まで出会った伊勢うどんの中では筆頭だ。

汁なし担々麺か油そばか。
そんなことを考えながら、
ジロリアンお得意の天地返しの要領で、たまり汁を麺に纏わせます。
比較的出汁風味よりも醤油強めのつゆ。

ぷにん!という口元の感触がなかなかよろしい。
どちらの製麺所のものかなぁとこれまたそんなことも考えながら、
一気に美味しくいただきました。
伊勢市駅駅前、外宮参道にきっとずっとある、
お食事処・和洋食喫茶の「若草堂」。


清掃清潔には気をつかっておられるものの、
そこには昭和の匂いが芬々とする。
素っ気ない建物に建て代わってしまう前にお邪魔できたことを何気に嬉しく思います。
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「若草堂」
伊勢市本町5-1 [Map] 0596-24-3210
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