まだ、夕闇手前の「神谷バー」はこの雄姿。古色が似合うタイル貼りに、円形の窓に繋がる開口の三本柱。 どなたのデザインによる意匠なのでしょう。
覗き込んだ一階フロアは既に大賑わい。 なんとか空いたテーブルを確保して、食券を求めにレジの列に並びます。
勿論、「デンキブラン」をとレジのメニューを眺めると、 「電氣ブラン〈オールド〉」なんてヤツもある。 最近、古(いにしえ)のものにも弱いんだなどとよく判らないことを呟いては(笑)、 そのチケットを。
奥のカウンターでは、どんどんと「デンキブラン」のグラスが並ぶ端からあちこちのテーブルへと運ばれる光景が続きます。 「電氣ブラン〈オールド〉」のグラスが届きました。
「電氣ブラン〈オールド〉」は、30度の「デンキブラン」と違って、アルコール度数40度。グラスも違っていて、紋章も入っていないシンプルなヤツ。
ペロペロっと舐めるようにグラスを傾けると、甘い舌触りにに仄かに薬草の香りが混じる。ああ、他所では幾度か吞んだことがあっても、 本家本元のテーブルで舐めるのは、今更ながら初めてだ。
やっぱりジョッキのビールをチェイサー代わりにするのばオツな感じ。 既に周知なことだけど、 明治の頃に舶来のハイカラなものに冠したのが”電氣”で、 ブランデーと表記するにはちょいと不足があって、”ブラン”となったそう。
ショーケースに目敏く見付けた「牡蠣フライ」がやってきた。「小柳」の鰻で十分お腹は満ちているけど、牡蠣フライは別腹(笑)。
うんうん、何気ないけど、 大振りのパン粉で上手に牡蠣を包み込んであって、 牡蠣の旨味の凝集がそのまんま愉しめる。タルタル風ソースもたっぷりなのが心意気だ。
現在地、浅草一丁目一番一号。 明治13年に酒屋を興すことに始まり、浅草の移り変わりを眺めてきた「神谷バー」。店内には、例えば、明治45年の改装の写真がパネルになっている。 長方形に囲むカウンターにしっかりした革張りを窺わせるスツールが並んでる。 その頃にタイムトラベルして、そのカウンターに腰掛けたい。 そんなことを思いながら、店内の喧噪を背にします。
吾妻橋の渡る隅田川はちょうど夕暮れ時。ビルの間からスカイツリーも望めます。
「神谷バー」 台東区浅草1-1-1 [Map] 03-3841-5400 http://www.kamiya-bar.com/
column/03227
“ 神谷バー ” の登場万歳!
↓
小生は年に1度だけ顔を出します。
*浅草羽子板市の帰路です。
ビール(大ジョッキ)を呑ってから
【ここのジョッキは大きいから好き】
デンキブランを3杯くらい呑んでます。
【足がふらつき始めたら帰ります】
肴は・・・
何時も⇒カーマンベールのフライです。
Re:ぽんちゃんさま
なるほど、羽子板市の帰りに、真っ昼間っから(笑)。
いいですねー。
デンキブラン3杯にジョッキのビール呑めば、すんなりいい感じになりそー。
カマンベールのフライ、覚えておきます。