
油の匂いをふと思い出して、
時折訪ねる天ぷら定食の店「ちはら」。
ただ、タイミングが悪いと店前の路地に空席待ちの一団と遭遇してしまうこともある。
そんなある日、それでは何処ぞでお昼にありつこうかと南高橋に通じる通りへふらふらと。
すると向かい側に”洋食 居酒屋”と示すくすんだ橙色のテントが目に留まりました。
アルミサッシのドアに貼られた「カキフライ定食」の札に即座に反応して(笑)、
入店を試みます。

草臥れた白いメラミンのカウンター。
奥に幾つか、これまた昭和な匂いのテーブルを認めます。
目の前には、ビニール袋に入った牡蠣の身たち。
こうも大胆に客に晒される調理前の剥き身もそうないかもしれません(笑)。
季節到来直後の牡蠣フライは、ザックリしたパン粉にもかかわらず、薄衣な感じ。

口が開いて牡蠣が覗いているのも愛嬌のあるところ。
“今日のランチ”には、「豚生姜焼きとカニコロッケ」なんてメニューもある。

ちょっと焼き過ぎちゃった感じもあるけれど(笑)、
その分香ばしくいただけるのがなんだか嬉しい生姜焼きであります。
何気に眺める”今日のランチ”のホワイトボードの並びに「ナポリタン」の文字がある!

ところが、「ナポリタン」は、夜だけメニューであるという。
こりゃ、あの方々をお招きせねばなりません。
そんなこんなで、新川で待ち合わせた師走のある晩。
念のため予約した奥のテーブルに野郎たちが寄り添います(笑)。

乾杯もそこそこに急ピッチでウーロンハイを呷る
ウーロンナポ氏。
お通しのおでんの大根や「ポテトサラダ」で、またひとグビグビ。
こんなんもあるぞ〜、と
グヤ兄さんがたのんでくれたのは、
「ほうれん草とカキのニンニクイタメ」500円也。

片仮名で、”イタメ”と書く感じって、カジュアルな感じがしていい。
飴色の焼き目がついた牡蠣に大蒜の香りが纏って、真っ直ぐ旨い。
ほうれん草の甘みとのコンビもオツなもの。
これもいっとかなあかんやろ〜、とまたまた
グヤ兄さんがオバちゃんに声かけてくれたのが、「カキフライ」居酒屋バージョン。

昼間のあれとは違って、夜の顔は割と端正な。
ふーふーしてからはむっとすれば、素直に滴る牡蠣の身エキス。
衣と身とのバランス、いいんじゃないでしょうか。
生姜焼きはどうかというとこれが、
1500食じんじゃ喰いのGingerちんもお初のカボチャ添え。

意外としっかり生姜がきいているのが好みのタイプ。
でもやっぱり、昼間の顔とは表情が随分と違うのね。
怒濤の勢いでウーロンハイしてたナポちんがぶいっと振り向いてこう叫ぶ。
オネエサン、ナポリタン一丁!
湯気とともにやってきたナポリタンは、ねっとりさせたケチャップがたんまり。

しっかり炒めてなお、シャツに飛びそうな濃ゆいノリ。
ナポちん、そんな濃い味ナポリタンを肴に濃いぃめのウーロンハイをまた呷るのでありました。
ご近所の洋食屋にして、町の居酒屋、新川「とおさんぼ」。

ご主人の師匠は、かつて王子あたりで「とおさんぼ」を営んでいたらしい。
ここで店を開けるにあたって、親方から印鑑やなんやを引き継いで、
同じ「とおさんぼ」を屋号としたのだそう。
改めて”とおさんぼ”の意味を訊ねると、頭をぽりぽり掻く感じで、
よくわからない、とご主人。
いまはもう隠居されているという師匠が長野のご出身のようなので、
その界隈の言い回しではないかと推測しているところです。
口 関連記事:
天ぷら定食「ちはら」で 海老天わらわらと穴子に替えて天つゆで(11年10月)
「とおさんぼ」
中央区新川2-28-10 [Map] 03-3552-0658
column/03214
あのだらけた飲み会がこんな憂いある文章になっちゃうなんて。
さすが叙情派のまさぴさん。
実はパンイチなんて想像できません(笑)
また誘ってねー(^o^)/
Re:Gingerさま
まいど、どこでもパンイチの叙情派、まさぴ。です。
いつからどこからパンイチきゃらになってんでしたっけ?
ま、いっか(笑)。
また、近々、よろしくです~♪
ジンちゃんのコメにおもわず(爆)。
まさぴ。、パン一で寒かったのに写真上手やなあ(爆)
Re:グヤさま
兄さん、写真いい感じに撮るコツは、パンイチでっせ!
どこかにそんなグラビアカメラマンがいたような……(笑)。
今日「とおさんぼ」の入口を見てみると、
9月28日で廃業した旨が書かれてました。
うーん残念、
一度食っときゃ良かった。
「ちはら」も今食っとかないと二度と食べれなく
なるかも。。。
Re:puzzさま
ええ!そうですか、やめてしまいましたか…。
今度の季節にはもう、カキフライ食べれないのですねー >_
今は無き「とおさんぼ」の今の姿を
アップしました。結構物悲しいです。
一方
「シンガポール・シーフード・エンポーリアム」
は中野で復活したようです。
Re:puzzさま
おとーさん、おかぁさんとも年金生活に突入されたのでしょうね。おつかれさまでした、です。