寒くなった頃の夜に訪れるのもいいかな、
なんて考えていた八丁堀路地の「ふぐをどり」。
ところが、どふいふ事情か、開店からそう間もなく営業を止めてしまっていました。
時折再開していないか様子を覗くことがあるのだけど、
ヒレ酒用か笊に河豚ヒレが干されたままになっているのを確認するばかり。
そんなある日、手書きのマジックの文字で「一慶」開店の告知が貼られているのを見つけたのです。
そうか「ふぐをどり」の再開はやっぱりないのかと、そして早くも八丁堀3軒めの「一慶」かと。
他二軒の「一慶」と違うのは、「もつ鍋」ではなくて「石焼ホルモン」と謳っているところ。
早速、開店日にお邪魔してみました。
建具を外したり、仕切りを一部加えたりの手直しをしているものの、およその様子は以前のまま。
二階のテーブルで取り急ぎビールをぷふぁとしてから、お品書き
を眺めます。
当然の如く、先頭にあるのが「ホルモン焼」。
早いところでと「韓国のり」「キムチ」をお願いしてから、姐さんに「どうしたら、よい?」と訊けば、
開店日だもんなの想定通り「今、店長を呼びますのでお待ちください」と階段を降りる。
二号店(すずらん通り店)にいたという姐さんでも、こちらの品書きは勝手が違うみたいだ。
「豆腐のみそ漬け」が届いたところで、こりゃ焼酎だねと芋の「杜氏潤平」。
「牛タンユッケ」「レバ刺し」「センマイ刺し」などなどと肉刺しの類もあれこれあって、「和牛ユッケ」の澄んだコクに首を縦にふんふんと振る(笑)。
「あご刺し」って何?と云えば、喉の奥の部位らしく、湯掻いてぱさぱさになったチャーシューのようでもあり、どちらかというと珍味の部類か。
そして、お願いしてた「和牛ホルモン焼」用の石鍋がテーブルの中央に配されて、ホルモンのお皿がぞくぞくとやってきました。
醤油か、辛味噌選べる味付けは、今夜は醤油で。
石が熱くなるのを待って、「やっぱりメインは小腸ですね」と云いながら、大将自らホルモンを投入してくれます。
せんまい、しま腸、ハツ、さがり、ついでに豚バラ。
追加でお願いしていた「シビレ(リードヴォー)」やお馴染み「はちのす」、野菜を含めた見るからに鮮度抜群のホルモンたちが石に焼かれてジュジューっと立てる湯気。
ぷるっとしたところがアクセントのヤツが小腸だね。
臭みなんて勿論なくて、じわーと広がる滋味。
ひょっとして、もしかして、旨いのでないの(笑)。
豚バラの判り易い脂の旨味と比べると、ホルモンの魅力というのは噛み締めるような大人の味わいなんだ、なんて思ったりする。
帰路の電車にて。
酩酊する頭でさっきまでの宴を振り返って、しまった!と膝を打つ。
それは、旨し愉しで焼酎のピッチが早まって、大将が話していたことを実行できなかったこと。
お国博多では、この石焼の鍋に加減よく出汁を注いで、鍋底に残るホルモンの旨味エキスを上手に伸ばしてごはんと玉子を投入して「石焼ビビンバ」に仕上げたり、もっと出汁を入れて鍋っぽくして「チャンポンめん」で〆たりするのだという。
クライマックスはそこにもあったのかもね~と残念に思うのだけど、なんだ改めて行けばいいだけの話じゃんとひとりごちる、そんな酔っ払い(笑)。
八丁堀で満席を続けるもつ鍋「一慶」の博多の味新展開、博多石焼ホルモン「一慶」。
今度は改めて手順をしっかり訊いて、仕上げまで到達しなくっちゃ。
また、呑み過ぎちゃうかもしれないけれど、ね(笑)。
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「一慶」 中央区八丁堀2-26-6
[Map] 03-3551-1089
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