
亀島川の水門近くを渡る南高橋。
銀に塗られたトラスの鋼材を眺めつつ、新川方向へ。
対岸で風に揺れた桜の木からはらはらと、
花弁の幾つかが橋上に舞って、
そのまま川面へと散ってゆく。
桜の時季が終わろうと急いてるようでした。
今来た橋を桜の花越しに振り返る。
よくみると、なかなか表情のある橋なのでありますね。


橋の袂には、そっと小さな祠と石造りの鳥居がある。
その名を、徳船稲荷神社。
案内板によると、
徳川期の新川地区は、越前松平家の下屋敷が三方を掘割に囲まれて、
広大な敷地で構えられていた。
その中に、切り取った徳川家の遊船の舳を彫ったものと伝えられる御神体を祀る、
小さな稲荷があったという。
そのお稲荷さんが、巡り巡って此処に鎮座しているということらしい。
そんな南高橋を背にして、
残念ながら閉めてしまった洋食・居酒屋「とおさんぼ」の前を通り、路地を右に折れる。
中央大橋の特徴的な橋脚を望む辺りを通り過ぎたところで、あれ?って思う。


一般の住宅と思う建物の玄関脇に、
お品書きらしき黒板のスタンドが立っている。
引き返して見定めればそれは、間違いなくおひる時メニューなのでありました。
恐る恐る扉を引くと意外や、ほぼ満席の混雑具合。
皆さん、もう、疾うにご存知なのですねー(笑)。

数席のカウンターの隅に席を得て、
お品書き筆頭の「豚しょうが焼き」をと声を掛ける。
目の前から炒める音と生姜の匂いがふふんと漂ってきます。

薄過ぎず厚過ぎずの心地よい厚みの均質なロース肉。
それがこんもりとドーム状に盛り付けられています。
一見肉二枚っくらいのちょっぴりボリュームにも見えますが、
その下にしっかりお肉が隠れてる。
鼻先の匂いに同調するように、生姜のきゅっと利いた、
スペサルプッシュなイケる生姜焼きでございます。

より麗らかなおひる時。
今度は、テーブルの隅っこに入れ込みでお邪魔する。
ご注文は、食堂の定番定食「鶏から揚げ」だ。

カラっと竜田揚げ的衣でもなく、如何にもフリッターちっくでもない、
いい具合にそそる衣の表情。
齧れば期待通りの鶏の旨味と脂が零れます。
茶碗のゴハンがまた、美味しいね。
またまた出掛けた新川の路地の角。
「ぶり照り焼き」か「あじフライ」か思案していたところに、
「竹の子ごはん」の文字を発見してしまう(笑)。

至極当然のことなのでしょうけれど、
一緒に口にした時にご飯と上手に融和する竹の子の刻み方に妙に感心。
決して濃くしない味付けが出汁の風味を活かして嬉しい竹の子ご飯でありました。
新川の路地に知るひとぞ知るおウチ食堂「うさぎ」がある。

店名表記は外観にも見当たらない、兎さん家(ち)。
店内の其処此処に、うさぎの置物やうさぎ絵柄が見付かって、
うさぎLOVEな気持ちがじわじわっと伝わってくる。
姐さんが卯年生まれだったりするのかな。
口 関連記事:
洋食・居酒屋「とおさんぼ」で 町角のカキフライとナポと生姜焼き(12年01月)
「うさぎ」
中央区新川2-28-4 [Map] 03-3553-6012
column/03364
このお店、ウサギって言うんですね。
20年来気になっているのですが、
まだ入ったことがありません。
実は昨日も入ろうとして、外に男の人が
一人並んでいたので弱気になって
入るのをやめてしまいました。
来週当たり行ってみるかなw
Re:puzzさま
なんと、20年来とな!結構混んでますよ~。常連の顔して、突撃しちゃってくださいませませ♪