暖簾の中も、居抜きのまんまのカウンター。 左手のテーブルもそこそこにひとで埋まっていて、まずまずの盛況のご様子。 座るや否やのご注文は勿論、「肉汁つけうどん」であります。
厨房の左手奥にうどんを湯掻く釜があるのも以前のままで、 ふと「一長」はどういう経緯で店を閉めてしまったのだろうと宙を見つめる感じになったりして。 冷水に〆る様子を眺めてのち、「お待たせしました」とお膳が手渡されました。
目にして最初に思うのは、麺がやや細いことととまさしく漂白した粉のうどんではないこと。讃岐のような真っ白では武蔵野うどんとは思えないので、その点間違ってはいないけど、 ちょっと黒っぽ過ぎやしないかな、とも。
どれどれとやや細のうどんをお約束のバラ肉浮かぶつゆに浸してズズと啜ります。その麺の固さに今度は、吉田のうどんを思い浮かべて、しばし腕組み(笑)。 もしかしたら、武蔵野うどんにコシや歯応えを求めてしまってるのではあるまいか。 一種の”ゆるさ”の同居した、地粉を柔らかめの麺で素朴に味わうのが武蔵野うどんではないのかな。
女将さんらしき方に地粉はどこの地粉かを訊ねると、 駅の向こうの製粉会社が卸してくれる地粉です、と仰る。 以前の店「一長」が扱ってくれていた、幻の柳久保の小麦粉ということでも、勿論ない。 もしかしたら、うどんを湯掻いている大将あたりに訊いたらちょっと違う応えだったかもしれないけど、例えばどこそこの農林61号です、みたいな返答が聞けたら嬉しかったかも。
東久留米にふたたび武蔵野うどんの店、「しみず」。清水さん営む「しみず」は、以前の「一長」とは関係ないそう。 もう一分長く湯掻いたうどんを食べてみたい、というのが正直な想いです。
帰り掛けに見付けた駅のポスターで、 いづぞやの日経に『東久留米うどん』の記事が載っていたのを思い出す。 それは、東久留米産の小麦、農林61号を100%使用した乾麺。 官民共同の東久留米市地域産業推進協議会が企画し、臼田製麺工業が製造を担当、 販売は東京みらい農業協同組合、というもの。 桶川市の製麺所というところがちょっと複雑だけど、探して買ってみよっと。
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「しみず」 東久留米市本町1-4-28 [Map] 042-410-0128
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