エビスのスタウトもいいけれど、とお願いしたのがご存知「シャンディ・ガフ」。鮮やかかつ柔らかな生姜の辛味風味は、ウィルキンソンかもしれません。
口開きになにか、と考えつつメニューを辿って見つけたのが、 「聖護院大根のポタージュ」。じゃが芋でも玉蜀黍でも南瓜でもなく、 聖護院のポタージュかぁと思うと不思議に嬉しい(笑)。 どれどれとスプーンを食むと、なるほど柔らかなテクスチャの中からまさに聖護院大根の風味がする。 うん、やっぱり嬉しい。
グラスの白をいただいて迎えたのは、「えいひれのムニエル」。檸檬をほんの少々搾り振って、フォークの先を伸ばします。 ああ、カリサクと揚げ焼いた皮目に香ばしきバターオイルが定番なれども絶妙に旨い。 その一方で、皮目の下の白い身がほっこりと甘くて、びっくり。 そして、えいひれのエイヒレらしいところはというと、期待通りのポキッとした歯応えと所謂エイヒレの滋味。 いい、お皿であります。
別の夜には、グラスのビールを「いろいろな豆のサラダ うずらの目玉焼きのせ」でスタート。オリーブオイルとパルミジャーノと塩胡椒と小さな玉子の黄身とでカラフルに映る豆たちがイケるサラダに昇華しています。
何か揚げた感じのヤツが食べたいなぁと選んだのが「むぎいかとふきのとうのフリット」。蕗の薹の苦味ってやっぱり大人な美味しさだよなぁと今更ながら感心しながら、 胴の輪切りをみても小さ目と判るムギイカリングの甘みを愉しみます。
メニューに載るパスタの項を覗いて、ひとりどよめく。 それは、「特製ナポリタン」なんてメニューを見つけたから。 ナポちんの表情を思い浮かべつつ早速告げたオーダーに応じて、 炒める音が聞こえてきます。 届いたナポリタンは、やや細麺なれど、 じっくりじっくり炒めたことによってケチャップ的ソースがまろやかに濃度を増していて、 正直云って、旨い。使っているのはBarillaのスパゲッティ#5あたりかな。 アルデンテの気配のするナポリタンでも美味しくできるのだねー。喫茶店的ナポリタンとはちょっと毛色が違うけど、ナポちんはどんな風に評するかな。
旗の台の片隅でセンスと個性を発揮しはじめているkitchen and bar「tocotoco」。どうやら、界隈の飲食店がそうであるように、 昭和大学病院の関係者と思しき客が常連になりつつある様子。 訊けば、六本木の某店から独立して、今はひとりで切り盛りしているのだそう。 店の名の「tocotoco」は、いつも気軽にトコトコ歩いて来てね、で”トコトコ”だ。
「tocotoco」 品川区旗の台2-5-2 [Map] 03-3786-3347
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