
三島駅南口界隈にも8店ほどが見つかる「三島うなぎ横町」の幟。
夕刻に訪ねたのが、その中の一軒「直よし」です。
白木の格子戸と白い暖簾がきりりとして、どこか店主の気っ風を思わせるような佇まいだ。
こちらの「三島うなぎ横町」幟は、小さいタイプ。
暖簾に合わせて、おいでおいでと風にそよいでいました。
店内は、右に厨房とカウンター、左に座敷というレイアウト。

カウンターの椅子に腰掛けて正体した大将は、怒ったらちょっと怖そうな、でもファサードの印象ともなるほど合い通じる、頼りがいのありそうな表情で迎えてくれます。
手にしたお品書き

には、「うな重」を含む定食7種に、幾多の一品料理が並んでる。
早速ビールをお願いすると、「蒲焼きももちろんできるけど、白焼きなんてどうです?」と大将。
なんで大将は、客の心の裡が判っちゃうのだろうと訝りながら(笑)、「はい!白焼きで」と即答する。

プレミアム・モルツをキュイッとやってからいただく白焼きは、もっちりしっとりした食感が面白い。
カサカサと香ばしさを発揮する仕立てじゃなくて、といって脂ギッシュという訳でもない。



表面の極薄いパリッとしたところが凝縮感のある鰻の身を包んでいる、そんな感じだ。
折角なら本山葵で食べたいところだけど、それは贅沢かな。

ビール呑むなら当然こいつも注文むよねと、「鰻きも焼」。
ちまちましない量感は、大将の心意気のなせる業。

うへへと嬉しくなるほどの直球の苦味とすっきりした滋味がいい。
〆は「うな重」ってことになるだろね、と考えているところに「茶漬けもできるけど、どう?」と大将。
また客の心理を読むンだから、もう困るなぁ(笑)。
「これちょっと食べてみて、炊いたやつ」と差し出してくれたのは、小皿に載ったうなぎ。

おー、炊いた鰻とは。
山椒風味をふわんと煮含めてあって、さっと炙ってあるのか程よい香ばしさを纏って、
蒲焼とは違う魅力。
大将に向かって、ぶんぶんと首を縦に振ると「じゃ、半分はどんぶりにして、半分を茶漬けで」。
ひつまぶしのノリもちょっと拝借しちゃおうって工夫、うん、大歓迎。
丼に放射状に配置した鰻を端から、ガシガシと掻き込むように。

気を利かせて多めにかけてくれたタレの味が強くなっちゃったので、
「タレ、なくってもいいぐらいですよ」と生意気云いつつ、再びガシガシ。
そして、残り半分になったところで、急須に用意していくれた鰹昆布出汁をだーっと注ぐ。
そうそう、お茶じゃなくってやっぱり出汁だよね。

三つ葉と海苔、あられの薬味を載せて、今度はズルズズ。
ひつまぶしの仕上げとはまた違う、ちょいと品のあるシズルをズズ、ズズズ。
なはは、一気に食べちゃった(笑)。
この、炊いたの、も白焼き同様お品書きには載っていなのだけど、確認するとおよそいつも仕込んでおくようにしているそうだから、大将に訊いてみる価値はあるね。
そんなうなぎ料理を始め、品書きにホワイトボードに酒肴メニューあれこれの和食「直よし」。

そうそう、「う巻き」は一匹使ったヤツだからふたり以上でね、と大将。
三島駅南口からも程なくの、「三島うなぎ横町」の小さめ幟が目印です。
口関連サイト:
「三島うなぎ横町」14店のクーポンあるよのサントリーグルメガイド「静岡うなぎ特集」
「直よし」 静岡県三島市一番町12-23
[Map] 055-971-3119
column/02749