築地二丁目の裏通りを歩いていると、
こんなことを掲げた看板が目に留まります。
築地が大好き魚が旨い、酒心・喰処。
そのストレートなフレーズは、
築地市場内外を知り尽くし、魚の目利きや料理の勘どころを弁えたお店の意気込みを窺わせます。
いざ、「金八」の暖簾を潜りましょう。
「金八のお昼ごはん」は五品ほど、どれでも1,000円。
「金目鯛の煮付け」あたりも気になりますが、今日のところは「金八」定番メニューらしき「魚がし丼」をお願いします。
まずは、熱々でいただける茶碗蒸しが嬉しい。
なかなかの具沢山で、最後に口に入った浅蜊のヒモあたりの風味にグッとくる。
そして肝心の「魚がし丼」。
どんぶりのおよそ半分を中落ちを溶いたようなとろみが覆っていて、残りの半分を帆立、中とろ、甘海老なんかで飾っている。厨房のオヤジさんがステンレスボウルでしゃかしゃかやっていたのはきっとこの、謂わば中落ちのづけなんだね。
ご飯は、固めに炊いた酢飯。
そうか、こうしてトッピング全部がヅケ状になってれば、海鮮丼でも違和感なくいただけるンだね。
切り身の一切れが見た目でなんだか判らない。烏賊のような蛸のような…。
訊けば、ミズダコの頭のところを削ぎ切りしたものだという。んー、なるほど。
小皿に用意された胡麻ダレはどうするんだろうと思案して、
試しに中落ちあたりに載せてみたもののやっぱり意図は掴めず。
ま、いっか。
お隣さんが注文んだ「金目鯛の煮付け」も魅力的な見映え。
ここのランチはもしかしたら、煮付けで攻めるのが一番おトクなのかもしれないぞ。
花緑青の暖簾もまた目印の魚がし料理「金八」。
宵闇にお邪魔するもの良さそうな、そんな予感がいたします。
「金八」 中央区築地2-9-2銀座大信ビル 03-3543-0639
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