築地の裏通りに、何気なくすっと櫓が立っています。
亀甲金網越しに覗く店の名を、
日本料理「築地 かじわら」。
建物一階の少し奥まった暖簾へと導く灯台の役目を担っているのだね。
店頭に示した「お昼のうまいもの」には、要予約の「ミニ会席」「松華堂」といった、謂わば社用向けタイトルも用意されていますが、前半は千円クラスの献立です。
カウンターには、お膳がずらりと並べられ準備万端のご様子。
「かじわら丼」ってナニ?と問えば、塩胡椒でいただく鮪のドンブリというお応え。
へ~、面白いね~。
然らばと、「得かじわら丼」をお願いしました。
さっと霜降りにしたのでしょう。白っぽい縁取りをした鮪の薄切りに刻んだ葱や胡麻、そして岩塩らしき塩、そして胡椒が振られています。
下のご飯ごと鮪の身を掬って口へ。
オイリーな塩ダレに浸したようでもあって、
塩のミネラルが強く、ほぼその味でご飯を喰らう感じになる。
もっと塩辛さを抑えてくれた方がいいのになぁと思う半面、このくらいきりっと利かせないとご飯のおかずとしては輪郭がぼけたモノになるのかもしれないなぁとも思う。
鮪のそぼろが中入りしていたりと芸の細かいところに感心しながら食べ終える。
「かじわら丼」の頭に“得”とつくのは、どんぶりに加えて、その日の「日替わり膳」の主菜のお皿がつくというメニューで、本日は「目鯛の照焼」。
ぼってりと厚い切り身の照り焼きに湯掻いたキャベツが添えてあります。うむ。
「築地 かじわら」のお昼には、
すき焼き風と思しき「牛肉焼き丼」、穴子の天麩羅「つきじどん」なんて選択肢もあるようです。
「築地 かじわら」 中央区築地3-7-4トーソービル1F 03-3544-5667
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