column/02297
うどん肉吸い「千とせ」で 肉吸いと玉子かけご飯これはいい
NGKの裏手、千日前道具屋筋(東京でいえば合羽橋か)のハズレにある「千とせ」は超有名店。
肉うどんを食べてた吉本の芸人が、何を思ったか、いつぞや「うどん抜いて~」と云い出したのが、「千とせ」を有名にしている「肉吸い」の始まりだという。
下町が風情な佇まいのお店の暖簾を潜る。
相席になった向かいの兄ちゃんが啜っているのが恐らく「肉吸い」だな。「えっと~、肉吸いぃ?」とオバチャンに告げると、「お吸い物だけになりますけど、よろし?」。
云われて初めてはたと気がついた。
そりゃそーだ。
うどん抜いちゃってるんだから、つまりはお吸い物ということなんだよね。
「えっと…」「ご飯モノ一緒にね」
「えっと…」「玉子かけご飯なんかどないです?」
「あ、そ、それ」。
確かに向かいの兄ちゃんの手元のもそうだし、聞いていると大半の注文が「肉吸小玉」「肉吸大玉」なのだ。
どんぶりとご飯ががやってくる。
お新香が添えられたそれらは、なんとも簡潔な昼メシ。バラ肉のしどけない脂の魅惑がさらっと具合よくかつを出汁の利いた汁に満ちている。
ちょっと醤油を垂らし混ぜた玉子かけご飯と交互に口へ運ぶ。
どんぶりの底を探ると、半熟になった玉子がでてきた。むほほ~。
吉本の誰がいい出したか知らないけど、いーなぁ「肉吸い」。
ふとゆっくり食べてるお向かいの兄ちゃんのどんぶりを改めて盗み見ると、
あれ?豆腐も浮いている。
そっか。次回は「肉吸豆腐入小玉」と注文するのが本懐と心得よう。
「豚吸」や「玉吸」もあるんやけど、ね。
「千とせ」 大阪市中央区難波千日前8-1 [Map] 06-6633-6861