column/01423
手打ち蕎麦と酒「新橋 辻そば」で 鴨ざる廻る石臼と職人の矜持
突き出しのサインがなければ、店があることを見過ごしてしまいそうな裏道に、「辻そば」はあります。
遅めの時間帯ゆえか、小さな石臼の廻る店内にはゆったりした空気が流れていました。
基本形の細打ち、ぶっかけには田舎タイプの太打ちと2種類のそばを用意。
薬味は辛味大根と葱のみを基本としていて、我が意を得たりと嬉しがらせます。
貼紙には、04年の台風頻発で重用している北海道・沼田産を始めとした国産蕎麦が大打撃を受けて、止む無く外国産を一部使っている旨が記されている。
選び抜いた蕎麦を思うがまま配合して打てない不本意さと職人の矜持が滲んできます。
ここはやはり、と大盛りで「鴨ざる」をお願いしました。
「竹やぶ」でも登場したのと同じ系統の円形のざるに盛られた端正な表情の蕎麦。辛過ぎずかつきりりとしたつけ汁に浮かぶ合鴨の抱き身と葱。
贅沢なひと時です。
おつまみの「いかの黒造り(富山)」や「花わさびの醤油漬け(長野)」「蕎麦みそ焼き」あたりで、キュっとやりたくなっちゃうね。
「新橋 辻そば」 港区新橋5-33-3 [Map] 03-5401-1851 [09年07月・千葉へ移転]