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フレンチバル「ランタン・ルージュ」で達郎師匠サンプラザ最終公演の満足感を抱いて

2023年、初夏のあの日。
07月02日日曜は、閉館が予定されていた中野サンプラザの最終営業日でした。
最終営業日は、「さよなら中野サンプラザ音楽祭」の最終日でもあり、その大トリのステージに臨んだのが、我らが達郎師匠であります。
達郎師匠の東京近郊でのコンサート会場といえば専ら、ここ中野サンプラザかNHKホール、もしくは神奈川県民ホール。
そのうちのひとつが、50年の歴史に幕を閉じ、
消滅しようとしていたのです。

正面広場のカリヨン時計には、
「さよなら中野サンプラザ音楽祭」のバナーが巻かれてる。 入場したところで、
サンプラザの特異な形状の建物を模した消しゴムのプレゼント。
最終日であるがゆえのノベルティなのかもしれません。

ホームグラウンドの最後のステージに立つ達郎師匠。
その姿を斜め45度の良席からじっくりと愉しむ。
いつも通りの圧巻の演奏で魅了する師匠とバンドの面々。
サンプラザに強い愛着があると巷間云われる達郎曰く、
確かに沢山のコンサートをここで行ってきたし、
改良により音も良くなっていったけれど、
なにより時間の融通がきいたことが最大の利点だったと。
そのお陰で、80年代、90年代には、
好き勝手に長い演奏ができたと云う。

中野サンプラザの最終公演であるところの、
達郎師匠のコンサートに立ち会えた満足感を抱きつつ、
正面入口を出るとそこには、
閉館を惜しみ見届けようとする人達の輪が広がっていました。

そんな中野サンプラザを背にして、
サンモールを横切り、ふれあいロードを経由して、
その先の静かな横丁へ。 路上に置かれた紅いA看板が、
「ランタン・ルージュ」の目印だ。

コンサート前に空腹を治めていたので、
ちょこちょこっと摘まんで呑みたいなとメニューを眺める。 根セロリって、セロリの根っこじゃないよね?
などと話しながら「根セロリのサラダ」。
セロリアック等と呼ばれる根セロリの細切りを食むと、
遠くに芹の風味がするような気がします。

「あたたかい料理」のカテゴリーから、
定番らしき一品「玉ねぎのキッシュA風」。 玉ねぎの甘味や旨味がぎゅっと凝縮して、
自然と笑顔にさせるそんなキッシュ。
“A風”とあるのはきっと、
レストラン「ANDRA」の”A”なのでしょう。

グラスのワインをお代わりしている裡に小腹が空いてきた(笑)。 そこで所望したのが「ランタンカレー」。
玉葱をはじめとした野菜類をたっぷりと使ったであろうソース。
ビストロらしい優しく繊細な味わいに大満足であります。

時は流れて同年の師走の初旬。
中野駅の南東にある文化センターなかのZEROで行われた、
桂文珍独演会が跳ねた足でふたたびの「ランタン・ルージュ」。

グラスの白をいただいて、
「カリフラワーサラダ 緑オリーブソース」。 刻んだオリーブの風味が、
不愛想になりがちなカリフラワーを引き立てる。

カウンターの右手柱に掲げられている黒板に、
2023年のワイン新酒の案内があって、
そこに白ホイリゲ(墺)の文字を見付けた。 ヴェルナーホルトリナーかなと註文めば、その通り。
うんうん、想像通りの美味しいワインだ。

「ちょっとおつまみ」メニューから、
「砂肝キュウリ&エスプレット」を選んでみる。 食感の異なる砂肝と胡瓜とが、
どちらにもあう絶妙なソースで和えられていて、
エスプレット(唐辛子)のアクセントがニクい。

「あたたかい料理」から今度は、「真鱈白子のムニエル」。 白子のフルフルをバターソテーの焼き目で包み込む。
嚙み込めば当然、ふくよかな白子の魅力が溢れ出す。
あああ、ズルいなぁ(笑)。

いただいたお冷のグラスを良くみると、
紅いランタンのロゴマークが描かれている。 カウンターから振り返る窓辺には、
実物の紅いランタンが提げられています。

中野・ふれあいロードから外れた静かな横丁に、
フレンチバル「ランタン・ルージュ」は、ある。 のむちゃん御用達の「ランタン・ルージュ」は、
フランス語でのそのまま”赤提灯”という意味。
そこには、一杯飲み屋のような気軽さで立ち寄って欲しいという、
そんな想いが真っすぐに掲げられているようです。

「Lanterne Rouge ランタン・ルージュ」
東京都中野区中野5-36-3 2F [Map]
03-3388-3802
http://lanterne-r.com/

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