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石垣牛・炭火焼肉「やまもと」で くっきりとした旨味の輪郭

昨年やっと、足掛け3年を要してその末席につくことのできた焼肉「やまもと」。
石垣牛を供する店としてすっかり有名になっていて、それ故今日の予約も1ヶ月以上前。
今回は、開店時間の夕方5時に予約をお願いしました。
それはなにより、前回食べれなかった、開店早々になくなる部位にもありつきたいから。
ダイビングに出掛けると、間に合わない可能性があるってんで、潜るのをキャンセルしてやってきたのです。

開店時間ちょうどに暖簾を払ったというのに、
もう店内は7割の入り。
出足早いじゃん!と座るや否や、
「ハラミと焼きシャブとビール!」と姐さんに告げると、
あろうことか「ハラミは…、ないンです、すいません」と仰る。
「ええっ!もう出ちゃった?」と訊くと、
「今日、入ってないンです~」と。 ガーン!
でもまあ、稀少牛の稀少部位だから仕方がないと、
そう考えることにして、
お約束のビールぷはぁ~から始めましょう。

まずは、均等にサシの入った「焼きシャブ」。 しゃぶしゃぶ肉をお湯にシャブシャブするように、
両面を軽ぅく炙って、
極薄スライスの玉葱を包んでいただけば、
玉葱ともども口の中からあっけなく溶け消える。
口腔に残る旨味の余韻が名残惜しい。

「ハラミ」の代わりにと思いつきで注文んだ、
「ツラミ」とは、ホホ肉のこと。 タレを迸らせて噛む歯応えに、
身肉そのものの甘さを思うのです。

そして、たたみかけるように、
「上カルビ&上バラ」。 滴る脂に、ファイヤー!するも、
そこは冷静に(^^)。
しみじみと溢れ出る旨味を、
真正面から受け止めるため、
そっと目を閉じる。

「ユッケ」の皿にも箸の先を伸ばす。 生な脂もまたイケる、蕩ける。

今度はホルモンと「アカセン(左、第四胃袋)」、
そして「マメ(右、腎臓)」。 網上で踊るは、
「アカセン」のむにんぷちんと弾ける脂と、
「マメ」のコリコリ歯触りだ。

ここで早くもラストオーダーコール。
切ないことに、「やまもと」は、
基本1時間半シバリなのであります。
艶やかな「レバー」に「ミノポン」を挟んで。
「バラ(手前)&ロース(奥)」に取りかかる頃には、
カウントダウンが始まっちゃった。
う~ん、急かされつつもゆっくり味わう、
「ロース」も「バラ」も、じっくり旨い。

ずっと気になってる「ととり冷麺」には、
案の定辿り着けず。
せめて2時間シバリにしてくれれば、
随分とペース配分が違うのになぁとも思う。
でもね、ああ石垣牛食べた!の満足は、
その旨味のくっきりとした輪郭と一緒に反芻できるンだ。

雑巾のように傷んだ様子が、
それを潜ったひと達の多さを窺わせる「やまもと」の暖簾。 ただ、石垣を訪れる度に疑問が募っていくことがある。
それは、八重山農協の「石垣牛」マークを掲げたお店が、
町の中に着実に増えていること。
そもそも稀少種で頭数が限られているはずなのに、
お店が増えるってことは、どういうことなんだろ。
石垣牛、漸増しているのかな。

「やまもと」
石垣市美崎町11-5 [Map]
0980-83-5641

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