彼此およそ10年が経つ間に、ダイビングからも卒業する恰好になってしまった。
ただ、たとえ潜らなくなったとしても、島が魅力的なのはなんら変わらない。
久々にご無沙汰の石垣島へとやってきました。
離島2島へのフェリー乗船に備えて、
離島ターミナルの目の前に宿をとる。
石垣港の向こうに夏の空が広がっている。
ターミナルに”ユーグレナ”の冠が付いたのは、
いつ頃からのことなのでしょう。
やっぱ暑いねーと云い乍ら、
街の散策も兼ねるように、
ゆっくりのんびりと歩いて目的地へ向かう。
そうこうしている裡に陽が陰りだして、
妖しい雲行きになった頃、
石垣小学校の北側にある目的地へと到着しました。
石垣市石垣所在の目的地は、
八重山そば処「来夏世」。
案の定、お店の前や周囲には空席待ちの人影あり。
記帳して待っているところへパラパラと雨。
木陰で雨と陽射しとを避けつつ、
此処へ来るのは何度目かなぁと指を折る。
多分、三度目になるみたい(^^)。
軽い通り雨みたいな感じで遣り過ごせそうだと、
そう思う頃、部屋内への案内の声が掛かる。
壁のお品書きは、お値段も含めて、
10年ほど前と然程変わらないように思います。
窓も扉も開け放っていて、店内も外と変わらない。
ひと汗拭うところへ「八重山そばセット」が到着しました。
細めの拍子に切ったかまぼこと豚肉、刻み葱。
どんぶりの居姿も当時と変わらないシンプルさだ。
スープの印象もまた当時と変わらない。
深いコクと旨味を湛えているのに、
濃厚さや塩味の強さの気配なく、
心地いいまでに澄んでいる。
麺の印象もまた然り。
ご存じのように八重山そばの麺の断面は、丸型で、
縮れのないストレートが基本形。
その麺の歯触りは、くにゅんとしてサクッとして、
これまた心地いい。
んー、いやー、もー、しみじみと美味い。
お願いした飯椀は、
じゅーしーと赤米のハーフ。
大根とゴーヤの漬物も合いの手に、
あっと云う間に平らげてしまいました(^^)。
石垣市石垣のなだらかな坂の途中に、
八重山そば処「来夏世」は、ある。
来夏世と書いて、”くなつゆ”と読む。
「来夏世」とは、石垣島の言葉で、
「来る夏の世(豊穣)」を祈願し、
「来世の五穀豊穣を願う」という意味があるそう。
なんだかとっても美しい言葉だ。
そんな「来夏世」の八重山そばは、
今もなお石垣島を代表する、
正しく美味しい八重山そばだと確信しています。
「来夏世」
沖縄県石垣市字石垣203 [Map]
0980-82-7646
https://www.instagram.com/kunatuyu/