富山ブラック「西町大喜」本店で成る程黒い中華そばメンマの塩辛いことったら

taiki恐らく少なくとも10年以上振りに訪れた富山の街。
以前は飛行機で来る場所、という位置付けであったけれど、この春開業した北陸新幹線のお陰で、良きも悪きもぐっと近い処になりました。
富山と云えばまず、駅前から路面電車の走る光景が印象的。
新幹線が開業して駅周辺や街は変わったのでしょうか。

降り立った富山駅は、しとしとと降る雨模様。taiki01トコトコと走り行く路面電車を懐かしく眺めながら、
環状線のレールに沿って歩きます。
聞き慣れた地名に同じ、新富町という最初の電停最寄りにあるのが、
ご存知富山ブラック発祥の店とも云われる「西町大喜」の富山駅前店だ。

割と最近外装に手を入れた感じの店構え。taiki02そこそこ混み合う店内の、
くすんだ緑色の張り地で揃えた丸椅子が並ぶカウンターへ。

勝手が判らぬまま註文したのが「チャーシュー麺」。taiki03成る程、”ブラック”と名乗るに足る、
黒っぽいスープでぐいと迫るドンブリだ。

カウンターに置かれた栞には、
麺とスープと具とが三味一体となるよう”まず混ぜよ”とある。taiki05ご指南に従っておよそ天地をひっくり返して啜る麺は、
これまた成る程、スープに染色されて赤黒くなっている。

胡椒の風味と醤油のコックリした酸味が悪くない。taiki04ところが、何気なく口にしたメンマの塩辛さに一気に戦意喪失(笑)。
メンマを横に避けつつ、なんとか食べ終えることとなりました。

再訪なった富山のおひる時。
過日ではちょうど定休日だった西町交叉点近くの本店へと向かいました。
TOYAMAキラリというデザインに凝ったビルの横手を往くと、
駅前店でも見掛けた「富山ブラック」を謳う幟が見えてくる。taiki06本店はなんともこじんまりした佇まい。
ビルとビルに挟まれた谷間に頑張る、
一間半ほどの古屋がそれだ。

店先には「美味求真中華そば」と認めた竹笠が並んでる。taiki07「大喜」と大書きされた群青の暖簾を潜りましょう。

駅前店と同じように奥へと細長い店内の両側にカウンター。taiki08丸椅子の形状は同じでも、
座面はピンクと白とで貼り分けられています。

今回のご註文は「中華そば(大)」。
チェーシュートッピングもご飯の追加も止めておく。
壁のメニューには、スープの濃さ、麺の固さについての希望があったら、
申しつけよとのコメントもある。
でも、なんか、醤油タレを薄くしてしまうくらいなら、
そもそも喰わない方がいいということにもなりそうで、
デフォルトのままのオーダーといたします(笑)。

オバちゃんが運んでくれた「中華そば」。taiki09確かに黒いスープも思えば、
京都の「新福菜館」のドンブリだって、
その流れを汲む「末廣ラーメン本舗」の中華そばだって、
間違いなく黒い汁。

試しにもう一度試してみるけど、
やっぱり無闇にショッパ過ぎるメンマたち。taiki10たとえ肉体労働の方々の白飯のお供として、
オカズとして考案したものだとしても、
これじゃ幾らなんでも塩分補給過多ではありますまいか。

醤油のコクと酸味とがベースのスープと相性よく、
バランスよく仕立ててあれば、それでいい。taiki11そふいふ意味では動物系の濁りが控えめなこのスープは、
比較的丁寧に仕込んだ黒スープなのだと云えましょう。
でもね、どっち?と訊かれたらやっぱり、
「新福菜館」のがイイと応えることでしょう(笑)。

富山と云えば、富山ブラックとひとは云う。
「西町大喜(にしちょうたいき)」は、その本流の流れを汲むと云う。taiki12昭和20年に”オヤッさん”と呼ばれ親しまれた、
高橋青幹氏が編み出したものであるらしい。
湯島天神下の「大喜」は”だいき”だけど、
こちらは”たいき”と読ませるようです。

「西町大喜」本店
富山市太田口通り1-1-7 [Map] 076-423-3001
http://www.nisicho-taiki.com/

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