早速潜った暖簾の先は、 右に丸椅子並ぶカウンター、左に渋いソファーのボックス席が三組ばかり。行き交うにも手狭なお店が、正午前には一杯になるのです。
お品書きは、 麺類メニューとご飯系メニューがアクリルケースに収まって裏表。 麺類だけでおよそ35種類ほどが並んで迷わせます。
さんざん迷ってから、お品書き筆頭の「ラーメン!」とオヤジさんに告げると、 「うん、それはいい選択をしたかもね」とニヤリ(笑)。ナルトは載っていないけど、絵に描いたような懐かしのシンプル中華そば。 固めに湯掻いた細麺浮かべたスープは、 野菜たちのエキスの甘さに鶏ガラの旨味、醤油の酸味が挿し色で。 はい、確かに選択は間違っていなかった(笑)。
またまたやっぱり迷いつつ、 ちょっとガツっとくる麺をと「肉いためそば」。つまりは、肉野菜炒めトッピングの中華そば。 豚肉キャベツと細めの麺とを大口開けてハフハフと一緒に喰らうのが醍醐味で。 額のあたりに汗が滲みます。
「ソース焼きそば」でなく、 「やきそば」の「やわらかい」ヤツは、どうやら醤油仕立てである模様。立ち昇る湯気の中にしっかり量感の焼きそば醤油味。 いいね、いいね。 強すぎる味のウスターソースがいまだにどうも好きにはなれなくて、 焼きそばも出来れば醤油味がお好みなのであります。
お品書きをひっくり返せば、ご飯類、料理類のあれこれが並ぶ。 こっち面はこっち面でまた迷わせる銘柄が並んでいます。
例えば、チャーハン三種類から「肉入チャーハン」。味付けは濃いめ。 しっかり焼けた北京鍋の鍋肌で、ご飯のひと粒ひと粒がしっかり煽られている感じ。
なんとなくお疲れモードのおひるには、 ご存知「ニラレバ炒め」にライスを所望。シャクシャクとニラを食み、レバーの滋味を味わっていると、 いつの間にかご飯をもりもり咀嚼している自分に気づいて愉しくなってしまいます(笑)。
残念がら「ギョーザ」は、夜だけメニュー。 特筆するものでもないけれど、 瓶の麦酒のお供には筆頭アイテムでございましょう。
昭和のあの頃から肩肘張らずにいまもある、水天宮「来々軒」。世に何軒の「来々軒」が現存しているのだろかとか、 東京ラーメンの草分けともいわれる「浅草 来々軒」との関係や如何にとか、 一瞬考えたりするけれど、 それはまた何処かで別の「来々軒」に出逢った時に改めて考えることにいたします(笑)。
「来々軒」 中央区日本橋蛎殻町1-38-1 [Map] 03-3668-5009
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