ランチタイムの始まりを待って、順番に空いている席へと向かう。 火鉢を据えた板の間の奥のカウンターだったり、座卓のいずれかで相席だったり。 中二階のような小部屋もあるみたいだ。
入口を入った頭上には、大きな提灯が迎えてくれる。カウンターの頭上には、注連縄(しめなわ)に紙垂(しで)を挟んだ神棚がある。 宮鍵とあるのは、神田明神の構と関係があるのかもしれません。
「よね家」のランチの注文は、大・中・並・小・極小などどサイズを告げるだけ。 暫し後、お願いしていた「鳥わさ丼」が届きました。表情の佳いどんぶりに、 御飯をこんもりと覆うように載せられた鳥肉が美しい。 刻んだ大葉に菊科、紅蓼、そして山葵おろしが色を挿す。
さっと湯引きして浅く包丁を入れた鳥に辛めのタレがきりっと利いて、山葵の風味。その身の量感にも唸りながら御飯を掻き込み、 山葵を少しづつ散らした奴を噛んではまた唸る。 鳥そのものの味も濃いよな、そんな気もするどんぶりなのです。
おひる時には、「鳥わさ丼」一本勝負の水天宮前「よね家」。夜の酒肴たちもきっと粋に気が利いているのが、 自ずと想像できます。
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「よね家」 中央区日本橋蛎殻町1-30-10 [Map] 03-5623-4122
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