いい感じにコンパクトな店内には、店奥に向かって左手に三脚のテーブル。 その奥にも半個室のようになった数席のテーブルがございます。見上げるドア上の黒板には、ディナーメニューにワインメニュー、 そしてその週一週間分の日替わりランチメニューが示されている。
もっとも一々見上げずとも、 その日のランチメニューは厨房側のプレートにも記されていて、 ランチAかランチBかというのが通例の模様。にんじんのポタージュだったり、野菜浮かべたコンソメ風だったり。 Aのランチにはどうやらスープをつけるという構成のようで、 おのずとそちらでという志向になりそうです。
冬のあるのおひる時のAランチは、 「豚バラ肉の煮込み カシス風味の赤ワインソース」。思えば、そのあしらいがクリスマス時季を思わせるもの。 ほろほろと適度な脂の豚肉に、なるほどカシスの風味がよく似合う。こうしてベリー系の果実をお肉に合わせるのって、 欧風な仕立てだなぁと感心したりして。
ふと奥よりの壁に掛かった額を見上げると、 お店のファサードを描いた絵があった。シェフの知人が描いたものだそうで、 一見油絵のようでいて実は貼り絵なんですと聞き、改めて眺めます。
そんな日のランチには、 「牛肩バラ肉の赤ワイン煮込み 黒胡椒と蜂蜜風味」。肉塊を解せば肩バラの繊維質。 黒胡椒をこふいふ風に利かすと赤ワインソースに粋なエッジが備わるのですね。
またまた別のおひるには、「鰆のポテト包み焼き 青のりの白ワインソース」。意外とジューシーな鰆を包むポテトは、カダイフで。 包むというより戴いている仕立てが面白い。 そして、そんな鰆に青海苔の風味が活きたソースが絶妙な取り合わせでございます。
新富町の裏通りに、気軽なフレンチと謳う「Bistro Bois de pin(ビストロ ブワ ド パン)」。厨房のシェフに訊ねると、”Bois de Pin”は、”松林”という意味だそう。 シェフがもしかして松林さん?と思うも、そうではなくて、 シェフが以前働いていた店が”松”に由縁のあるレストランで、 “松”のつく方たちに世話になり、支えられた。 つまりは、”松”に囲まれ今がある、ということで”松林”を店の名に掲げたのだという。 ちなみに、”松”のつくレストランとは、かの「シェ・松尾」だそうだ。
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「Bistro Bois de pin」 中央区新富1-10-10 [Map] 03-3551-2552 http://www.bistroboisdepin.com/
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