仙台市内の和風オイスターバー、
「かきや no Kakiya」でランチを堪能した後、
何気なく開いたミニコミ誌の記事から急遽思い立ち、
JRの仙山線に乗り込んだ。
目的地は、作並という駅。
そう、NIKKA WHISKYの蒸溜所を見学しちゃおうとの魂胆なのです。
飛び乗った電車を降り立ったものの、送迎バスの類がある訳でもないと知る。
作並駅の女性駅長に唯一のタクシー会社の連絡先を訊くも、すっかり出払っていて呼べるタクシーはなし。
やむなく、霧雨の降る作並街道を煙突に向かって歩きます。ゲートに向かって渡った広瀬川は、蒸溜所のところで新川川(ニッカワガワ)と合流する。 辿り着いたのは、力強きハイランドタイプの余市蒸溜所のモルトに加えて、柔らかなローランドタイプのモルトをつくるべく、かの竹鶴政孝氏が興したという宮城峡蒸溜所。
仙台市内へとバスで戻って、ホテルでひと休み。 ふたたび昼間訪れた界隈にやってきました。 ゲート越しに既にひと気の増えた国分町の通りを横目にする辺り。
雑居ビルの階段を降りてゆくとそこは、急にしっとりした空気のフロア。 「一心」のファサードは、瓦を載せた軒を持つ、酒蔵の色気漂うもの。 兄弟店「加減 燗」「光庵」と並び併せて、雑居ビル地階とは思えない雰囲気を醸しています。 昼下がりは蒸溜の蔵へだったけど、夜は醸造の蔵へ、だなぁ(笑)。
予約の名を告げ、促されるままカウンターの一番奥へ。 背中越しに幾つか仕切られた小上がりの様子が窺えます。
翌日訪れる予定の石巻のお酒をと限定純米中汲み「墨廼江(すみのえ)」を。
時季外れだから「ばくらい」だねと話しながら覗いたお品書きに「新ほや」がある。 夏場が旬じゃないんでしたっけ?と訊くと、そうでばかりもないのですと姐さん。 どれどれとマンゴー色の身を摘まみます。
続いて届いたのが「定義(じょうげ)さんの油揚げ」。 肉厚にして三角形の油揚げをしっかり目に炙ってある。
カウンター正面の棚をみあげると、 太田和彦氏をはじめとする面々の日本酒や居酒屋に関する書籍が並んでる。
お酒を石巻の「日高見」純米吟醸に。 酒米は、山田錦の母とも云われる山田穂。 小粋に旨味広がりすっとキレる、心地よい吞み口であります。
そんなお酒に飲兵衛気分を添えてくれるのが、「十穀みそ」。
長皿で恭しくやってきたのが、「松島産 活穴子白焼き」。
一点の曇りもない旨味が香ばしさと一緒に炸裂する。
「一心」には、オリジナルプライベートな限定酒があって、 それが「伏見男山純米大吟醸中汲み」。
きっと仙台が誇る日本酒と旬の魚介・酒肴の店「一心」。
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「一心」本店 仙台市青葉区国分町3-3-1 定禅寺ヒルズB1F [Map] 022-261-9888
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