そんな「エリーゼ」は、黒地のテントに大きく描いた筆文字のロゴが印象的なファサード。ニュー新橋ビルにも登場したかと思っていたら、意外と間もない閉店を知る。 そして、相前後して、本丸の四谷のお店も閉めたと聞きました。
本丸の事情が新橋と違うのは、閉店した翌日に引き継ぐように揚げ物の店を開店させたこと。 店名とテントとメニューは変わっても、装いは大筋そのまま。 かつれつ「四谷 たけだ」は、間違うことなき「エリーゼ」の継承店だ。
極寒の中、行列してたら敵わんなぁと案じつつ、しんみち通り。ひとり待ちなら許容しましょとしばし待つ。
案内された店内は勿論、およそ「エリーゼ」のまま。 悴んだ指先を温めながらカウンターの一席に落ち着きます。
新生「たけだ」のメニューは、豚ロース、豚ヒレ系カツの定食に鶏肉カツ、 牛肉カツにメンチカツ定食。 別掲のカキ料理を含めた魚介系のフライにカレーあれこれ。 オムライスやハンバーグ、ポークジンジャーといったフライパンメニューは割愛中だ。
ご注文はやはりここからとお願いしたのが、「ポークカツレツ定食」。 明るい色合いに揚げた衣のカツにデミグラスソースがたっぷり。どれどれとやおら齧りつくとこれが、意外なくらいにさくーーーーってな歯触り。
軽やかさこの上ない衣がソースを纏って持ち上げてもなお、さくーーっとしてる。こんなに軽やかなカツレツは初体験かもしれません。
こんな衣でカキフライしちゃったら、どうなるのだろうと改めてのしんみち通り。 またまた、ちょうど満席のしばし待ち。
やや粗めのパン粉がおよそ均一に牡蠣の身を包んでる。箸でそっと優しく掴んで、そっと歯を立てる。
ああ、期待通りの軽やかさ。こんな軽やかなカキフライもまた初めてだ。 香ばしさのための胡麻油とかコクを添えるラードなどを使わず、 コーン油100%で揚げているらしい。 酸化し劣化した油じゃこうはいかないとすると、 上等な天麩羅店よろしく油を頻繁に交換しているのでしょう。
洋食「エリーゼ」が昇華して揚げ物に特化した、かつれつ「たけだ」。2代目店主が自らの姓を店の名に掲げたその覚悟にふと思い至ります。
「四谷 たけだ」 新宿区四谷1-4-2 峯村ビル1F [Map] 03-3357-6004
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