目の前には、ビニール袋に入った牡蠣の身たち。 こうも大胆に客に晒される調理前の剥き身もそうないかもしれません(笑)。
季節到来直後の牡蠣フライは、ザックリしたパン粉にもかかわらず、薄衣な感じ。口が開いて牡蠣が覗いているのも愛嬌のあるところ。
“今日のランチ”には、「豚生姜焼きとカニコロッケ」なんてメニューもある。ちょっと焼き過ぎちゃった感じもあるけれど(笑)、 その分香ばしくいただけるのがなんだか嬉しい生姜焼きであります。
何気に眺める”今日のランチ”のホワイトボードの並びに「ナポリタン」の文字がある!ところが、「ナポリタン」は、夜だけメニューであるという。 こりゃ、あの方々をお招きせねばなりません。
そんなこんなで、新川で待ち合わせた師走のある晩。 念のため予約した奥のテーブルに野郎たちが寄り添います(笑)。 乾杯もそこそこに急ピッチでウーロンハイを呷るウーロンナポ氏。 お通しのおでんの大根や「ポテトサラダ」で、またひとグビグビ。
こんなんもあるぞ〜、とグヤ兄さんがたのんでくれたのは、 「ほうれん草とカキのニンニクイタメ」500円也。片仮名で、”イタメ”と書く感じって、カジュアルな感じがしていい。 飴色の焼き目がついた牡蠣に大蒜の香りが纏って、真っ直ぐ旨い。 ほうれん草の甘みとのコンビもオツなもの。
これもいっとかなあかんやろ〜、とまたまたグヤ兄さんがオバちゃんに声かけてくれたのが、「カキフライ」居酒屋バージョン。昼間のあれとは違って、夜の顔は割と端正な。 ふーふーしてからはむっとすれば、素直に滴る牡蠣の身エキス。 衣と身とのバランス、いいんじゃないでしょうか。
生姜焼きはどうかというとこれが、1500食じんじゃ喰いのGingerちんもお初のカボチャ添え。意外としっかり生姜がきいているのが好みのタイプ。 でもやっぱり、昼間の顔とは表情が随分と違うのね。
怒濤の勢いでウーロンハイしてたナポちんがぶいっと振り向いてこう叫ぶ。 オネエサン、ナポリタン一丁! 湯気とともにやってきたナポリタンは、ねっとりさせたケチャップがたんまり。しっかり炒めてなお、シャツに飛びそうな濃ゆいノリ。 ナポちん、そんな濃い味ナポリタンを肴に濃いぃめのウーロンハイをまた呷るのでありました。
ご近所の洋食屋にして、町の居酒屋、新川「とおさんぼ」。ご主人の師匠は、かつて王子あたりで「とおさんぼ」を営んでいたらしい。 ここで店を開けるにあたって、親方から印鑑やなんやを引き継いで、 同じ「とおさんぼ」を屋号としたのだそう。 改めて”とおさんぼ”の意味を訊ねると、頭をぽりぽり掻く感じで、 よくわからない、とご主人。 いまはもう隠居されているという師匠が長野のご出身のようなので、 その界隈の言い回しではないかと推測しているところです。
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「とおさんぼ」 中央区新川2-28-10 [Map] 03-3552-0658
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