懐かしい風情の藍の暖簾を潜る店内は、右に小さなテーブルふたつ、左手に小上がり。 遠い昔に訪ねたことがありそうな、デジャヴに似た感覚が過る。 壁一面の品札には、天ぷらのあれこれやその天ぷらを使ったどんぶりもの、居酒屋メニューに豚肉の生姜焼き定食までが並んでいます。
そうはいってもその中心にあるのが、「もり肉汁」。もり、大盛り、大大盛り(だいだいもり)とうどんの量が三段階。 オカアさんに相談しつつ、空腹を理由に「大大盛り」をお願いしました。
早速届いた小皿に刻み葱と一緒にほうれん草や蒲鉾の一片があるのは、 “糧”の習慣から。 うずらの玉子が添えられているのは初めてだ。
角ザルでやってきたうどんは、やや細めな印象ながら、地粉の色合い真っ直ぐの表情。汁には勿論豚バラが浮かんでいて、早く啜れと急かせます。
こんもりとしてはいるけど、空腹にはちょうどいい感じの盛り具合。箸先を駆って、バラ肉の脂とアクが浮かぶ汁にどっぷと浸して一気啜り!
うんうん、ムホホ。見た目の印象と同じく、 ほんのもうちょっと太めに切ってもらえると野生味が増してさらにムホホになると確信します。 まぁその分湯掻き時間も増えちゃうだろうけどね。
静かな住宅地の只中に、武蔵野うどんの店「あまのや」。厨房では、ご主人らしき御仁も女将さんらしき方も元気に立ち動く。 その中に若いひとの姿がみられるのが頼もしい。 ずっと続けていって欲しいなぁ。 二階にもお座敷があるようです。
「あまのや」 所沢市北有楽町16-5 [Map] 04-2923-3660
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