こちらのカキフライも試してみなければと思いつつ、
気がつけば桜の散る頃になってしまうこと幾度か。
今年こそはと、時季の訪れを待っていました。
いつの間にか塗り直したと思しき外壁は、
強く目を惹く鮮やかな珊瑚色。
今日は、にっぽんの洋食「新川 津々井」で「カキタベ!」です。
店頭のメニューをみると、流石、シーズン到来の頃。
サービスランチメニューに「カキフライ」の一行が示されています。
二階のテーブル席の一角に案内されました。
座るや否や、おばちゃんに「カキフライ!」と叫ぶと、そんなに意気込まんでもオーダー通してあげるから的な応対に、あ、つい力みました、すいません(笑)。
一階の厨房からリフトが到着して、おばちゃん手にするカキフライの丸皿。
「新川 津々井」の「カキフライ」はどんなだろうと伸び上がるようにお皿の上を覗いたりして。
ハイ、オマチドウサマとテーブルのほぼ中央に据えられたお皿は、ちょっと想定とは違う光景を呈していました。
なんといっても、フライのひとつひとつが小振りで細身であります。
この夏の酷暑が真牡蠣の出来に影響したことは想像に難くないけれど、それがカキフライの姿にも直結しているかと愕然としたりする。
でもその分、カキフライ常道の5個盛りを大きく上回る、7個のカキフライが並び重なってる。
お上品に半分くらいで齧ったりすると、なんだかとっても物足りなくて、こうして小振りなカキフライは、一個まるまるをぽいっと口に入れて咀嚼することでフライ衣と牡蠣の身が渾然となる醍醐味を愉しめると知る。
でもやっぱり小さいとジューシーさを湛えるように揚げるのは至難の業となるみたいだ。
「新川 津々井」の「カキフライ」は、ああして小振りにする個性なのだろうかと、一週間後に改めて出掛けてみました。
すると、サービスランチに「カキフライ」の名前がない。
訊けば、「津々井」のサービスランチは週替わりゆえ、今度「カキフライ」がサービスランチに載るのは11月初旬あたりかなぁという。
そうとなれば、「カキフライ」単品にライスを添えてもらうことといたしましょう。
揚げ油の状況もあるのでしょうけれど、前週とは随分違う揚げ色。
そして、前回よりややサイズアップしていて、6個になっている!
この調子で5個がちょうどいい大きさになっていくのか、それとも小振りものを選ぶ志向なのでしょうか。
そんなことを考えながら、マヨネーズ主体のタルタルをのっけて、齧る。
衣の色相い通りの軽やかな歯触りと軽やかな味わい。
妖艶な魅力を発揮するカキフライにはまだ早いのかもしれません。
珊瑚ピンクの外装が目を惹く、にっぽんの洋食「新川 津々井」。
「キッチン柳」を失ってからはまさに、この界隈の洋食の雄といえそう。
でも、下町の洋食屋さんとしては少々、不遜さが匂うような気もするのは、そのお値段だけの所為でしょうか。
お皿の縁や箸袋に描く”つつ井”の文字が小粋です。
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和風洋食「キッチン柳」茅場町店 で口惜しいほどうめーカキフライ(06年11月)
「津々井」
中央区新川1-7-11
[Map] 03-3551-4759
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