八丁堀の裏道にいつの間にかできていた、
「ものほし寿司」。
はて、どこかで聞いたような、そうでもないような。
どちらさんのご自宅かしらんというおよそ無機質な佇まいに、「寿司ものほし」と筆文字の流れる古びた板が構える。
まだ夜の部へお邪魔したことはないけれど、以前よりお昼どきにお世話になっているのです。
「こんにちは~」と親戚の家を訊ねるような気分になりながらアルミのドアを引くと、そこに玄関はなく、代わりにこじんまりしたカウンターとその奥にテーブルが見える。
お昼のメニュー
白魚の軍艦やみっつ並んだ鮪、”メ”と刻むように切れ目の入った小肌、などなど。
玉子は大振りに包丁した甘過ぎず、で海老の握りの枕になっている。
店の名をどうして「ものほし」としているかというと、戦中か戦後か、食糧統制の敷かれる中で、二階の物干し場に上がるとヤミで寿司が喰える処として、初代が営んでいたことに由来するそう。
寿司を食べに行こうと大っぴらに口にできないので、符丁として俗に「ものほし」と呼ばれたのだね。
銀座の頃にも一度、行っておきたかったなぁ。
口関連記事:
小料理「卯波」で 穴子の煮凝り筍の直煮銀座路地裏店幅一間半(05年04月)
うなぎ「ひょうたん屋」一丁目店 で名残惜しむうな重の中(07年11月)
「ものほし寿司」 中央区八丁堀2-28-6 [Map] 03-3551-5710
column/02772 @1,300-

