八丁堀の裏道にいつの間にかできていた、
「ものほし寿司」。
はて、どこかで聞いたような、そうでもないような。
どちらさんのご自宅かしらんというおよそ無機質な佇まいに、「寿司ものほし」と筆文字の流れる古びた板が構える。
まだ夜の部へお邪魔したことはないけれど、以前よりお昼どきにお世話になっているのです。
「こんにちは~」と親戚の家を訊ねるような気分になりながらアルミのドアを引くと、そこに玄関はなく、代わりにこじんまりしたカウンターとその奥にテーブルが見える。
お昼のメニュー
白魚の軍艦やみっつ並んだ鮪、”メ”と刻むように切れ目の入った小肌、などなど。
玉子は大振りに包丁した甘過ぎず、で海老の握りの枕になっている。
店の名をどうして「ものほし」としているかというと、戦中か戦後か、食糧統制の敷かれる中で、二階の物干し場に上がるとヤミで寿司が喰える処として、初代が営んでいたことに由来するそう。
寿司を食べに行こうと大っぴらに口にできないので、符丁として俗に「ものほし」と呼ばれたのだね。
銀座の頃にも一度、行っておきたかったなぁ。
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「ものほし寿司」 中央区八丁堀2-28-6 [Map] 03-3551-5710
column/02772 @1,300-


なるほど。トラックバック未遂(苦笑)の理由が分かりました。
かつて、自分があしげく通った銀座1丁目に集まっていた古き良きお店たちが、こうして営業場所を変えても姿勢を崩さず妥協せずに時間を積み重ねている姿に、うれしくなりました。
やっぱり、自分が東京に行ったらぜひものなお店は、こういったお店ばかりです…
Re;takapuさま
はは~ん、この板看板当時のままなんじゃん、というのはtakapuレポートなくしては判らなかったもンね。
こっちにいても久々に通るエリアは、ころころ変わってしまっていてびっくりすることが少なくない。
立ち退いたお店がどっこい頑張ってる姿って、いいよね。