column/02406
RESTAURANT「CLASSE」で ハーリーズバースタイル
矢場町にも近い大津通りは松坂屋の向かい辺り。頭上のアーチには”クロイゾンスクエア”とある。安藤七宝店へのアプローチを辿ると、その先に忽然と蔵があり、その回廊は左手へとその先を導きます。芝を回した中庭に臨む、硝子開口のゆったりしたお店が今夜のお食事処です。若いソムリエ氏が迎えてくれるリストランテ「CLASSE」。シンプルモダンなすっきりとした佇まいであります。口開きを、スプマンテでもビールでもなく、シェリーにしてみる。「マンサニーリャ」はスペインの辛口と云いながら、ふくよかでスムースな呑み口。最初に発泡系のアペリティーボではなくて、シェリーでというのはアリかもね。アラカルトのおとり分けでお願いします。アミューズは、「マスカルポーネと林檎のマルメラータ」。マルメラータとは、つまりはジャムのことだ。前菜にまず「国産牛肉のカルパッチョ クラシックに”ハーリーズバー”スタイルで」。なかなか彼の地ベネチアへ赴く機会もないので(笑)、カルパッチョ発祥カウンターの元祖スタイルも顧みてみようってな魂胆です。お皿に広げ鏤められた牛肉は極薄スライス。図らずも、河豚の身を何枚もイッペンに箸でこそげるような採り方になります。たっぷりとそして均一に振り掛けられたチーズとそれを横切るマヨネーズ様のソース。ルッコラの苦味がよく合うね。ソムリエ氏とあれこれやりとりをして選んだトスカーナの「MASSARETTA」は、ふくよかな華やぎのある、メローな赤であります。前菜からもうひと皿、「白トリュフが薫る槍烏賊のリビエニ」。蠱惑的ソースに烏賊墨の挿し味が、ニュルんとした烏賊の身に寄り添ってくる。ボッコンチーノというコミカルな響きのパーネ。プリモにふた品は「おいしい野菜のアーリオオーリオ スパゲティーニ」と「自家製パンチェッタと秋栗のトマトクリーム リングイネ」。そして、セコンドからひと品は、鴨肉好きが選んだ「鴨胸肉と聖護院蕪のアロスト 蜂蜜とマスタードの薫り」。少しザクッとする野趣の歯触りと滲み出るエキスがやっぱりいい。どちらかというと、マスタードの酸味よりも甘めの赤ワインソースが似合うのだね。別腹ドルチェは「チョコレート三昧 三種の異なる調理法で」。ほろ苦い魅力のジェラートにガトー、そしてコアントロー入りのチョコドリンクだ。うんうん。心地よい満腹でありますなぁ。
「CLASSE」 名古屋市中区栄3ー27ー17CLOISONNE SQUARE1F 052-263-7811 http://restaurant-classe.com/