島で採れる食材を、その魅力を活かすように酒肴に仕立てて供してくれるお店がある。
ということで石中東通りというひっそりとした通りまで足を運んでみました。
梟のオブジェが迎える
「森の賢者」。
正面に馬蹄型のカウンター。
右手奥のテーブル席に通されました。
お通しはゆしどうふ。
やっぱりオリオンで口火を切ってから、お品書きの「森の賢者BEST10」を眺めます。
先頭の「豚キムチの春巻 賢者風」は、そのオリオンにこれまたよく合う。
齧れば、外皮のカリッとにそぼろな豚とキムチの酸味とほの辛さとがまた次のひと齧りを誘います。
まったくもってフルッと柔らかく煮込まれちゃった「ラフテー賢者風 泡盛とキビ糖数種類のハーブで」
は、確かに泡盛の匂いにハーブっぽい香りが添えられている。
「真幸さん手採りの天然もずく たっぷりサイズ」。
ダイビングボートの上でお昼にいただいたもずくが、注いだつゆが絶妙で旨かったのでそれと比較してしまったけど、酢の酸味が控えめで、うん、これも悪くない。もずくをわしわし食べることってそうないよね。
どんなんだろうと挑んだ「石垣島地ビール」
は、うへ~、クセのある甘さでNo Good。
で、3年古酒と島酒をブレンドしたという「森の賢者オリジナル古酒」にする。
「ジーマーミ豆腐の揚げ出し」、そして「ヒバーチ尽くし!島豆腐のアチコーコーがんこ揚げ」。
刻んだヒバーチの葉がこんもり載り、外周のがっちりした厚揚げがはふはふと熱々(=アチコーコー)だ。
「森の賢者」のスペシャリテだと思うのが「島素材(野草と野菜)の天ぷら盛り合わせ」。
アーサー(ひとえぐさ)、おおたにわたりの新芽、紅いも、ゴーヤ、島バナナ、四角豆、アダンの新芽の芯、ピパーチの葉。
島の素朴な魅力を一緒盛りしてくれたみたいで、愉しくなってくる。
ヤシガニも食べるというアダンは、灰汁抜きをしていてもまだまだ残るエグ味が野生的だ。
負けずに旨かったのが「極上石垣牛の和風ローストビーフ」。
浸したタレが凝縮した肉の旨味と一緒にじゅんと滲んできて、堪らんス。
日替わりメニューで赤文字おススメだったのが、「ミジュン(小鰯)の唐揚げ」。
グルクンに並んでこのミジュンも沢山獲れるンだろうけど、これ、佳い古酒の友になるなぁ。
壁際には、「請福」ベースで仕込んだ果実酒、薬草酒の大型瓶が幾多と並ぶ「森の賢者」。
グラスの液体を舐めながら梟のイラストを眺めていたら、ヤモリがキュっと鳴きました。
「森の賢者」 石垣市新川49-2 0980-83-5609
http://www.beeline.co.jp/moriken/
column/02373