ずっと気になっていた森下の有名酒場「山利喜」
にいそいそと出掛けてみました。間がよかったのか本館の赤ちょうちんの前にはおっちゃんのひとり待ちのみ。10分ほど待ったところで、2組ほどの客が暖簾を潜って出てきた。ひとの足踏んづけて「うひぁ、す、すいやへん」と云って去るところをみると、奴ら5時の開店直後から散々呑んでいるのに違いないね。入れ代わりに1Fカウンターの右隅へ。焼き台のまん前だ。ひとまず麦酒をお願いしてから、お品書きを拝み見る。やっぱり「やきとん」「煮込み」からいかねばいけませんね。頭上の貼紙から「たん」「軟骨のたたき」「はつ」をと告げると焼き台担当のアンチャンが「あっ」という表情のままサッと「軟骨のたたき」の貼紙を剥がす。「終わっちゃいました」。もうないンだ~、と思いながら代わりに「軟骨」「てっぽう」を加えます。じわじわと遠赤外線で焼かれた
「やきとん」4種のお皿がやってくる
。主に喉の周辺の軟骨だという「軟骨」が旨い。直腸だという「てっぽう」のコリコリも楽しいね。そして、「煮込み玉子入り」がふつふつと煮え滾りながら
届きました。あははぁ~。思わず笑っちゃうほど、うまひ。世の居酒屋で味わえる所謂「煮込み」とは一線を画する「山利喜」のスペシャリテだ。スペイン料理のオイル焼きのような、そしてデミソースを加えたかのような多国籍なコク味が魅惑的。大鍋
で6時間以上、目を離すことなく丹念に煮込むというこの「煮込み」は、主材を牛シロとし、そこに八丁味噌、さらにポートワインにブーケガル二を仕込んでいるンだという。このフルフルが素敵にしどけなく、堪らん
ゾ。お約束の「ガーリックトースト」は齧れば軽妙で、それで「煮込み」のソースを底の底まで堪能できるという寸法であります。メニューを改めてみてみると、日本酒・焼酎に合いそうな酒肴とワインに合いそうなバル的メニューがおよそ交互に記されているのに気がついた。これはここで、どっちの方向に行くのか決めないとバランバランな事態になりかねないねと検討(?)の結果、今日のところはワイン路線にしようと決める。イタリアのハウスワイン
をボトルで貰い、塩気あっさりの「ハモンセラーノ」
、バゲットにたっぷりのせていただく「自家製鶏レバテリーヌ」
あたりでくぴくぴと。今度は、入口は同じ「煮込み」から、以降を「するめいか丸干焼」「新島産くさや」「鯛酒盗和え」「こはだ酢」「大根煮」「納豆汁」あたりで、日本酒をやっつけたいな。あ、人気の限定品やきとん「軟骨のたたき」もいただかねば。
「山利喜」
江東区森下2-18-8 [Map] 03-3633-1638
http://www.yamariki.com/
column/02138