ところが、そんな身近であった界隈に隠れた中華料理店があるという。 落成なってから4年以上が経つ大崎警察署。 その脇の峰原通りをちょっと往けば、立正大学の正門前になる。 正門を背にして立ってみると、その正面に幾段かの階段がある。ああ、その奥に「中華料理」の文字が見つかりました。 全くもって知らなかったなぁ。
表示面に磨り硝子を使った看板自体、 今は探してもなかなか見つからないものなぁと感心しながら、 その佇まいと表情を堪能します。通り過ぎてから振り返ってみたり、 ちょっと失礼してお向かいさんから見下ろしてみたりして(笑)。 所々擦り切れ千切れた暖簾を払って、古の店内へとお邪魔します。
店内も期待を裏切らない昭和な設え。 パイプ椅子&テーブルの奥には、座卓繋げた座敷が待っている。割と最近施したであろうパステルブルーの壁のペンキが、 効果的に明るい演出をしています。
お品書きには、メンの部、ご飯の部、お料理の部。 最初はやっぱり、「ラーメン」に「玉子チャーハン」が雰囲気でしょう。鶏ガラと野菜の旨味を思う、これまた期待通りの実直なスープ。 最近流行りの足し過ぎ、重ね過ぎのスープなんて何処吹く風でありましょう。
もうご飯最後だからちょっと少なめになっちゃうけど、 という少な目が願ったりのチャーハンは、これまた期待通りのパッラパラ。濃くも塩辛くもならない優しい味付けに和んでしまうのであります。
お店の内外で唯一アピールのあるのが「MISO TOMATO」。「味噌ラーメン」を確認していないけど、 おそらくは「味噌ラーメン」にトマトスープと握り潰したトマト、 そしてタバスコ系の辛味を調合した感じ。 トッピングに大蒜の芽を刻んでいるのもちょっとした特徴です。
別の夜には、「オムライス」は手間かなぁと思案しつつ、 「中華おじや」を注文んでみたりする。汗と洟水を誘うけど(笑)、 冷え込む夜にはきっと、とっても嬉しいご馳走になるね。
大崎警察裏手の路地に、昭和2年創業の中華料理店「平和軒」がある。枯れて丁寧な物腰のご主人は、三代目に当たるそう。 戦後五反田の駅前辺りで屋台を始めて、 この路地に店を構えたのが昭和40年のことらしい。 もっと早く知っていれば、もっと通っていたに違いありません。
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「平和軒」 品川区大崎3-1-16 [Map] 03-3491-3824
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定形とされている序文が素晴らしいです。
最初は気づかなかったのですが、きちんと要領よくまとめられて脱帽ものです。(物書きの仕事?)
歴史ある昭和な中華料理店、物腰柔らかなご主人、優しい味加減、”足し過ぎ、重ね過ぎ”でないスープ・・・・絶対素晴らしいお店と確信!