しだれ桜を眺めつつ訪れたのは、住宅地の集会所のようなところ。爽やかなそよ風に吹かれながら出番を待っているのは、幾張もの和太鼓たち。 太鼓のあるじは、ドイツ・ラウフェンを本拠地に活動する「和太鼓グループ 奥三河」。 異国のひと達が練習を重ね、 日本の儀式を、伝統を、音楽を懸命に奏でてくれる光景と、 心根に響くような空気の震えにうるうるとしてしまいます。
そんな凛とした雰囲気の脇の置かれていたのは、 なんとも素敵な移動式の焼き釜。 オヤジさんが手馴れた所作で、にこやかにFlammkuchen を焼いてくれる。タルトというかピザというか。 やや厚手の生地の素朴なもっちりが美味しくて、お代わりしてしまいます(笑)。 お供には、翠のラベルが鮮やかな「Schönramer Hell」だ。
友人宅でひと時を過ごしてから、 フライラッシングのザーラッハ川沿いへとやってきました。そぼ降る雨にひと気のないビアガーデンを横目に、 クリームイエローの建物へとお邪魔します。
高い天井がドーム状になった、謂わばビアホール。バックバーの雰囲気なぞ、なかなかよろしいではありませんか。
まずいただいたのは、「BÜRGERBRÄU」のジョッキ。ジョッキやコースターには、Mullnerの山々を背に佇む立派な髭を蓄えた御仁。 ザーラッハ湖の近く、 バートライヘンハルBad Reichenhallという町の醸造所から届いたビールらしい。
シュパーゲルSpargelのcremesuppeが欲しいと所望したけれど、 とても残念ながら出来ないという。 ならばとお願いしたのが、「Bärlauch cremesuppe mit Rahmtupf」。旨味しっかりのコンソメにクルトンというよりお麩状態のパンが浮いている。 火傷しないようにそのパンを口に含めば、うんうん頷くことになる。 途中からクリームをスープに溶かし込んでいただけば、 よりコクの増した味わいを愉しめるっつー寸法であります。
メインのお皿でもシュパーゲルが気に掛かりつつ、 「Schweinsfiletpfandl mit Hopfen-Kräutersauce」。大きな手鍋に豚フィレ肉がどどんと3片収まっていて、 それを包んでいるのはクリーム状のソース。 これでホップのソースなのかしらんと実に柔らかな豚に絡めていただく。 ビールのそれに思うような感じとは異なるけれど、 仄かな青味に似た香りが爽やかに誘う瞬間がある。 意外なほどこってりはしていないのだ。
大量に付け合せてくれたニョッキのようなシュペッツレSpätzleや野菜たち。 その前にいただいたピザが結構利いていて、 美味しいのに随分と残してしまいました、御免なさい。 食べ切れなくて悔しいぞい。
国境もなすザーラッハ川近くのビアレストラン「ZOLLHÄUSLツォルホイズ」。今度は爽やかな空気の庭先で、 ビールのジョッキを傾けとうございます。
ところがその後、ドイツ周辺や流域をも襲った豪雨で川のどこかが決壊したのか、 大変な浸水被害に罹災してしまったという。 友人も浸水被害で危険に晒され、いろんな不自由に苦労しているそう。 早くの復旧を祈ります。
「ZOLLHÄUSL」
Zollhäuslstraße 11 83395 Freilassing [Map] +49 (0) 8654 / 620 11
http://www.zollhaeusl.de/
column/03389
突然の欧州でびっくりです!
他の記事を見て、”行ったんだ!”位に思っていたのですが・・・仕事でしょうか?
丸いビアホール天井が、雰囲気ありますね!
美味しかったでしょうね!!!