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中華そば「つし馬」で 青森煮干の中華そばと特濃バリ煮干し旨し
彼の地青森「長尾」での堪能も背中を押して、いよいよやっぱり煮干しラーメンがますますマイブーム。
王子「伊藤」に新宿「凪」。
日暮里の某店は煮干しの風味も旨みも弱々しくて残念な結果だったけど、まだまだ東京にも煮干しラーメンのお店があると聞く。
出掛けたのは、浅草は観音通り。
中華そば「つしま」には、ずっと以前お邪魔したことがあって、その頃はとんこつ魚介のスープがなかなか旨かった記憶がある。
その「つしま」がいつからか「つし馬」と名を変えて、煮干し中華そばのお店として生まれ変わっていたのです。
店頭のパネルで示すは大きく二本立て。
青森煮干し、津軽地方独特の油の浮かない中華そば、と謳う「中華そば」。
そして、大量の煮干しと豚骨を煮出した特濃煮干そば、限定30食の「バリ煮干しそば」。
そりゃもう、「バリ」でしょう!と券売機の前に立つも、限定ゆえ夜には当然売り切れ状態。
ならばと、「中華そば」を大盛りでお願いしました。
煮干しで全身がふんわりと包まれる感じって悪くないかもと思いつつ、到着を待ちます。
どんぶりになみなみと満ちたスープは澄んでいる。チャーシューをぐるっと回して、刻み葱と褐色の濃いメンマ。
どれどれとスープを啜ると、酸味を強めに含んだ醤油のあとから煮干しの風味が追い掛ける。
高円寺「ひら石」の「らぁめん」に似たイメージで、より丁寧に煮出した印象のする。
うんうん。
ストレートで一見するとヤワヤワな気配がする麺は、くにゅっという歯応えとシャクっとした切れのよさを同居させた仕立て。スープを纏いつつ、アルデンテな歯触りと量感を伝えてくれるんだ。
油の浮かない、という志向のせいか、ガツンと煮干しが薫るというよりは澄んだ具合もこのどんぶりのキャラクター。その分、醤油の酸味の方が勝っているけど、うん、こふいふのもありだなぁ。
やっぱり「バリ煮干しそば」も啜らねばと、おひる時。
心なしか夜よりも煮干しの匂いがより濃く漂う店内で、「バリ煮干しそば」の売切ランプが点いていないのを確認してひとまず安堵(笑)。
一見して「中華そば」と違うのは、スープの表面全面にたっぷりと粉末状の煮干しエキスが鏤められていること。麗しい光景であります。
早速レンゲをスープに押し込んで啜れば、脳裡の景色が転じて、遠く青森「長尾」のテーブルに飛んでゆく。
あーそうそう、うんうん、そうそう。
どちらかと云えば、「長尾」の「こく煮干」に近いかな。
煮干しの香り芬々として、それでいてエグみや嫌味は全くない。ボディの豚骨は下支え役で、醤油ダレとのバランスもぴたりときてる。
いいよなぁ、いいよね~。
今は、青森煮干し中華そばの店、浅草「つし馬」。都内でおススメできる、煮干しラーメン店の一軒と云えましょう。
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「つし馬」 台東浅草1-1-8 [Map] 03-5828-3181
おぉぉ!!これは素晴らしいツガリアンヌードルですね!東京に行って、なんぼの濃さかを確かめたくなってしまいます。
ところで、「つし馬」って青森的な名字の代表なんです。漢字で書くと、太宰治の本名・津島修治の津島。もしかすると、お店をやっているのは青森出身の方!?と思ってしまいます(田中商店とかの流れを思うと、たまたまとは思いますが…)
まさぴ。さま。
タップリの澄んだスープ、美味しそうですね〜!!
ますます想像中、煮干し系スープのラーメン。
限定にしなければならないほど、手がかかるものなのですね。
Re:takapuさま
ブレイブ氏が話していたのがおそらくココのことなんじゃないかなぁと思います。
油を浮かべない仕立てと津軽仕様との関係がちょと気になるけど、青森ここにあり、はイメージできまっせ~。
そっか、太宰の本名も、ツシマかぁ。青森出身なのかも。
とんこつ魚介からあれこれ試行錯誤して、地元青森の煮干しラーメンにいきついたという可能性もあるね。
Re:ララさま
澄んだスープの中華そばとウリャーっと煮干しを濃くしたバリ煮干しと対比ができて面白いよ~。バリ煮干しは相当な量の煮干しを使ってるのじゃないかなぁ。(小声で)バリ煮干しの方が断然いいよ♪