餃子専門店「中央亭」で大中小焼いて茹でる餃子の旨さに裏を返す

何故だか離れ小島のように西武百貨店がある処としての印象と西伊豆を訪れる際の玄関口にして漁港の佇まいもまた印象に残っていた沼津の町。
車移動での中継点であることが多いこともあって、物凄く久し振りに降り立った沼津駅の南口。
2013年(平成25年)01月に撤退した西武百貨店の跡地は今、よしもと劇場等をテナントに擁した「沼津ラクーン」と呼ぶ施設になっていました。

そんな沼津を訪れていることを知った、
友人が教えてくれたキーワードは、
宇都宮でないのは勿論のこと、
浜松でもない”沼津餃子”。
正直なところ、へっ!?ってな気持ちをも抱えたまま、
南口正面に伸びる停車場線を南下します。

大手町交叉点にある紅い看板の銀行の裏手。
店があると思しき裏通りへと折れ入って、吃驚。既に大勢のひと達が今か今かと、
開店を待っているではありませんか!

店前のテント地庇の下に、
営業中と示した小さな幟が吊るされる。待ちかねた様子の皆さんの頭越しに認めた幟には、
餃子を模したであろう、
小さく描かれたイラストが歓迎の意を表してくれています。

「中央亭」のメニューは餃子専門店たる潔さ。
それぞれ6個8個10個からなる「小」「中」「大」の餃子に、
大盛りか普通かの「ライス」。
店内に貼られた品書きにはもはや、
「餃子」とはどこにも書いていない!
そして、ドリンク類の中にビールがあることにニヤリとします(笑)。

いきなり大というのもなんなのでと、
お願いしていた「中」のお皿が届きました。両サイドが三角に突き出てはいるものの、
フォルム全体の印象はぷっくり丸々。
厚手に思わせる皮にパリッとしたテクスチャはまったくありません。

促されるまま、まずはそのまま大口開けて齧ってみる。
ムニッとした包みの中からじゅわっと解け出るあん。
ありゃ!!
うまひ!!
芳ばしい餃子の美味しさとは対極にある、
でも、水餃子のニュルうまとは明らかにノリが違う。
成る程こりゃぁ行列するわなぁと膝を打つ。

正に裏を返して翌日また行列のひととなる(笑)。
卓上には、醤油注しに七味唐辛子の缶、
そして自家製からし油とテプラの貼られた油注し。
自家製ラー油には激辛注意のものが少なくないので、
加減しながら使うとこれが、あんまり辛くない。
油っぽくなり過ぎてもなんなのでと思えば、
七味に手を伸ばす手もありかと思ったり。

そして、昨日の今日でやっぱり美味しい。
ひと口でいけるサイズにしたらもっと旨いのではと思ったり、
いやいやこの量感だからいいのだと思ったり。「大」をぺろっと平らげお会計。
昨日もいらしてたわよね?とお姐さんに云われ(笑)、
ハイと頭を掻きつつ厨房を覗くと、
既に焼いたらしき餃子を並べたフライパンに、
たっぷりの湯が注がれている。
そう、ここ「中央亭」の餃子は、
焼いてから茹でるという方法で供される餃子なのだ。

それからおよそ二週間後。
またまた「中央亭」の行列に並んでいました。今度は、ライスの代わりにビールを所望しての「大」。
餃子の脇のお皿を覗けば成る程、
焼いた後に茹でたであろう、
油と湯が渾然となったような汁がみられます。

けれど決して油っこい印象はなく、
ムニンとしてちょっと官能的な皮と、
なにやらやたらと旨味充満のあんとの取り合わせは、
素朴にして唯一無二のもののようにも思えてしまいます。勿論ビールとの相性も悪くないけれど、
勿論ライスとのタッグも悪くないけれど、
ここ「中央亭」の餃子は、
ただただそれだけを貪り喰らうのがいい!
そんな気がいたします。

入口扉の脇の壁には、こんな内容の貼り紙がある。
当店には、支店、姉妹店、のれん分け等の店はございません。
類似店にご注意くださいませ。それが、沼津駅北口にある、その名も、
「北口亭」を指すのは暗黙の周知のことのよう。
はてさて何があったのかなと勘繰りたくなってきますね。

沼津餃子の店といえばそれは、
大手町にある餃子専門店「中央亭」のこと。テレビの下に貼られた貼り紙には、
3月にして、年末のお持ち帰りの予約が既に終了したとある。
「中央亭」の餃子を年末の恒例にしているひと達がどれだけいるのか、
地元に根付いた人気のほどが圧倒的な温度で伝わってきます。

「中央亭」
沼津市大手町4-4-7 [Map] 055-962-4420

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