そんなお年頃な今日この頃(笑)。
御徒町に昔乍らの中華の店があると知り、いそいそと仲御徒町の駅まで足を運びました。
それは、九月の終わり頃。
ところがなんと、九月末日まで夏季休業中ですと、そう知らせるメモがドア硝子に貼ってある。
暑い夏にはやってられないわってなことなのでしょう。
何時からの夏休みなのかなぁ。 そう云えば、野毛の至宝、三杯屋「武蔵屋」も酷暑の八月だけはお休みする。 空調でガンガン冷やして店を開けるというのを潔しとしない、 そんな処が同じ様にあってもいいんじゃないかと思うところ。 ましてや、営んでいるのがご高齢の方となれば、至極当然のことと存じます。
そんなこんなで、十月に入ってからの営業日にふたたびやってきた、 すえひろレンガ通り、嘗ての通称を新東京通り。 この近所に映画館があったなんて信じられないなぁと思いつつ、そっと扉を開きます。店内は、期待に違わぬ、懐かしき昭和の匂い。 天板に貼ったメラミンを抑えるアルミのフレームの表情。 座面を紅く包んだパイプ椅子。 壁上方の角に据えたテレビは疾うに映像を流さなくなってる様子。
合板の壁に画鋲で貼ったお品書き。その下に置かれた扇風機がそよそよと活躍しています。
おばあちゃんにお願いしていた「ラーメン」が届きました。お店に似つかわしい、素敵な佇まいであります。
啜るスープは、煮干しがひたひたと利いたオツなお味。 こうでなくっちゃと秘かに頷きます。 麺もかん水臭いなんてもこともなく、 ツルっと具合とシコっと具合の加減もよろしくて。
お店の名前を冠したのが、ソース焼きソバ「来集メン」。意外な具沢山に悦びつつ、「ライス小」との炭水化物攻撃に自らの身を曝します。
「湯メン」も野菜の甘みが充分スープに顕れていて、いい。今度は、ライスに飽き足らず、 「カレーライス小」をセットしてしまう。 ちょいがけ的おウチカレーにも一日の長があるよに思えてきます。
これまた別の日に、「ラーメン」のお供に添えたのが、「ソースチャーハン」。カツなどにかけるソースは味が強すぎて正直余り好みではないのだけれど、 こうしてじゃっじゃと炒めたチャーハンとなると話が別で、 角の取れたソースの風味がそそる、そそる(笑)。 小柄なおばあちゃんに鍋を煽るよな調理してもらっちゃって、 なんだか申し訳ない気分にもなります。
1953年(昭和28年)創業とも1956年(昭和31年)創業ともいわれる、 町の老舗中華料理店「来集軒」。ずっとお元気で店を続けていただきたいとか、 もしかしたらもう辞めたいと思っていらっしゃるのに続けているのだったらとか、 暑い時にはたっぷり休むからダイジョブなのよ、なのかもとか、 働くのがアタシの活力なのよ、なのかもとか、 勝手なことをあれこれ思ってしまうけど、 やっぱりなくなってしまうのは寂しく、なくなれば二度と得られないお店であります。 平日も、水曜日木曜日は定休日なので気をつけて。 注文は、テーブルで待っていないで、厨房口辺りで声を掛けるのがよいでしょう。 どうやら、浅草の来集軒製麺所の暖簾分けのお店であるようです。
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「来集軒」 台東区台東2-31-9 [Map] 03-3831-3593
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