
石垣島にやってくると、
連日、日がな一日ダイビングに出掛けちゃう。
それゆえ、ランチタイムに訪れたいお店は俄然ハードルが高くなる。
流石に潜ってばっかりもなにかと、島一周のドライブがてら北部にある「明石食堂」に足を運んだことも。
そんな中、公設市場の近くと便利な場所にあるので、そのうち寄れるだろうと思いつつ、なかなかお邪魔できないお店がありました。
島へと近づく颱風が強風突風を運んでくる。
暴風圏間近のあやぱにモールには、
対策を済ませて既に閉めてしまっている店もみられます。
お目当ての「ゆうくぬみ」ももしやと郵便局の裏手を曲がると、
倖いにも暖簾と一緒に提灯が見える。
やっと、その店内のひととなることができそうです。
「ゆうくぬみ」の特徴は、なんといってもその間口。
両手両腕を広げれば、届いてしまいそうな可愛らしさなのだ。
ガラっと戸を引くと、幸いにも手前のテーブルに空きがある。
小さなコーナーベンチに腰掛けて、忙しそうにしているネエネエの手が落ち着くのをのんびりと待つことにします。
「ゆうくぬみ」の店内には他に、
奥よりにテーブルひとつと右手の壁に囲まれたテーブルひとつ。

そして、右側の隅に壁に向き合うようなおひとりさまカウンターと、
詰めて10名程度のこじんまり感がいいのだ。
お願いしたのは、「軟骨ソーキそば」。

じっくり煮込まれた様子のソーキに澄んでなおコクのありそうなスープ。
いただきますと割り箸と一緒に手を合わせ、いざいざ。
軟骨やその周囲までもが柔らかくしてあって、そのままいただける。

魚介と動物系が上手にバランスしたスープは、見た目を裏切らない出来。
そして、八重山そばらしい、丸い麺。


なんだかとっても落ち着いて、心地よく、美味しくて。
自家製というピパーズ(島胡椒)をちょっと振り掛けたり、
コーレーグース(島唐辛子の泡盛漬け)をほんのちょい足ししたりして味わいの変化を愉しむのもオツなもの。
汁 完!ご馳走さまです(笑)。
「ゆうくぬみ」ではやっぱり、かき氷も気になるところ。
別テーブルのファミリーに引き続き、追加オーダーしちゃいましょう。
ターゲットは、沖縄ならではのシロップです。
奥から聞こえるシャリシャリと氷を削る音とハンドルを回す様子。

てんこ盛りに盛った「黒糖金時」のお皿が届きました。

あああ、冷た美味しい。
黒糖の香ばしい甘さがすっきりと広がってゆく。
シャリシャリひゃっこい氷に寄り添うコク味がこれまたなんともオツなもの。

そしてさらにスプーンを進めると顔を出す金時がまた角度の違う甘さを供してくれるのだ。
朗らかなるネエネエと近付く颱風情報あれこれを交わして、ご馳走さま。
狭い間口に琉球瓦が愛らしい、八重山そば「ゆうくぬみ」。

ネエネエに訊けば、「ゆうくぬみ」とは「隅っこ」という意味。
隅っこの心地よさを共有したくって、という想いが店名にもそのまま表現されています。
隅っこ抱いたこじんまりした店内。
「最初はこっち側(入口から正面側)だけだったのよ」と聞いて、さらにびっくり。
右手の一角は、隣の建物にちょいと間借りして広げたスペースなのでありました。
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八重山そば「明石食堂」で 八重山そば白濁塩系スープの旨さ(09年07月)
「ゆうくぬみ」
石垣市字大川10-2 [Map] 0980-82-4397
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