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ちょうど一年前の冬に初めて訪れた四谷「酒徒庵」。
牡蠣に対する愛情と日本酒に対する造詣とその掛け合わせとを堪能させてくれました。
と、その直後に移転したと聞いて、吃驚。
オイスターバー以外の
Jr.オイスターマイスター在籍店としても気になる「酒徒庵」。
真冬の寒さ凍みる夜に出掛けました。
四谷しんみち通りの先界隈から移転したのは、四谷三丁目。
ヘリコプターを展示していることでも知られる消防博物館の前を進み、
ひとつめの脇道を入ったところ。
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入口を覗くと、例の満席を知らせる黒板が見つかる。
ああ、「酒徒庵」だと不思議な安心感が過ぎります(笑)。
古びたビルの地階への階段。
無垢の木目の風合いを意識した様子の店内。
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きっと以前は座敷であったろうスペースが板張りになっている。
案内されたテーブルは厚みを残した一枚板。
幅がないのが、なんだかちょっと不思議な感じだ(笑)。
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「酒徒庵」の口開けといえばやっぱり、山口の「flight of wharf」。
特別誂えの、ここでしか呑めないお酒は、活性にごり発砲純米生原酒。
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白濁りのグラスを口に含んで、皆んなが一斉に、おいしーと云ってくれるのが有り難い(笑)。
改めて、ボトルでいただくことにします。
まずはやっぱり生牡蠣から。
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“本日の牡蛎”には、北海道・厚岸から長崎・雲仙までの9種類がラインナップ。
北から攻めるか、西から攻めるか、みんなして腕組み思案(笑)。
最初にお願いしたのが、三重県は、答志島桃取プレミアム。
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この冬は、鳥羽産の牡蠣をよく見掛けるのだよなぁ、とそんなことを思いながら、
檸檬汁をほんの少し搾って、ちゅるん。
潮の速い海が育んだ滋味が鮮やかに弾けます。
続いて、徳島は、鳴門ウチノ海。
ウチノ海は、内の海。
鳴門といっても渦潮渦巻く海峡では勿論なくって、
海峡近くの四方を山に囲まれた内海でめきめき育った牡蠣。
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これ、旨いです、憶えておきましょう。
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最近ポピュラーになってきた福岡は門司の牡蠣。
殻付きに続けて、焼きをいただいてみます。
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生で愉しむ磯の旨味の鮮烈さが、火を入れることで丸く深みを帯びるのがよく判ります。
“酒徒庵名物”と謳うは、「牡蠣の味噌煮」。
こってりと煮〆たような、味噌漬けに近いようなヤツかと想像したら然にあらず。
それは、白菜なんぞの野菜と牡蠣とが仲良く小さな鉄鍋に。
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白味噌仕立ての牡蠣鍋の小型版、といったところでしょうか。
「flight of wharf」のボトルをあっという間に呑み切って、
次のお酒に選んだのが、東京は東村山・久米川の。
豊島屋酒造という蔵の仕込み6号直汲み無調整生 純米吟醸「屋守 おくのかみ」。
久米川に酒造メーカーがあるとは知らなかったけど、これがなかなか旨いンだ。
移転前のお品書きでも気になっていたのが、「バジルポテトサラダ」。
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葱の繊維を活かした、バジルを加えただけじゃない、個性派のポテトサラダだ。
「篠峯」のうすにごり ろくまる純米吟醸八反35号無濾過生酒あたりをお伴にね。
そして、牡蠣料理のラインナップから、「牡蛎ガーリックバター炒め」。
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薄く叩いた粉がバターをしっとりと包んで黄色くなっている。
口に含めば、ちゅるっと消えて牡蠣の旨味とニンニクバターの風味が交差します。
お酒を埼玉の「五十嵐」純米吟醸直汲み生M-310酵母に替えて、「鯖のへしこ」。
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旨味の凝縮した鯖の身を短冊に切った大根で挟んでる。
大根で塩梅を馴染ませつつ、糠の風味も合わせ愉しむ佳肴であります。
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やっぱりこれは外せないと、「牡蛎フライ」。
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うんうん、ジューシーにして活性した身の美味さ。
衣も旨い気がします(笑)。
みんなで取り分けてシメましょうと、「牡蛎とあおさのチーズリゾット」。
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一見柚子胡椒にみ見えるのは、蟹味噌でしょか。
滲み出た牡蠣のエキスにあおさ海苔の磯風味がよく似合う。
今度作ってみようかな。
日本酒専門にしてJr.オイスターマイスター在籍牡蠣の店、四谷三丁目「酒徒庵」。
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「酒徒庵」はいまのところ、完全紹介制をとっていて、一見さんお断りとなっている。
日本酒を安く提供したいとの意図から少数精鋭での営業なので、
料理やお酒のオーダーや提供に時間の掛かることをあらかじめ承知して愉しみたい。
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「酒徒庵」
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