古酒琉球料理「うりずん」で 琉球料理居酒屋ドゥル天に血イリチイ

urizun.jpg「美ら海水族館」から58号線を海岸線沿いに戻って、途中の小さな砂浜、ミッションビーチで水浴び、フィンはなし(笑)。 すっかり涼んで、さっぱりしてから再び自動車道にのって那覇へと戻ります。 さてどんな夕食をと考えて、腕組思案。 世の飲食店の多くがそうであるように、観光地沖縄・那覇であっても、日曜日の夜ともなれば、営業しているお店が極端に少なくなるのです。
どこぞか、気の利いた居酒屋が営ってないかなぁと探して、行き当たったのが古酒琉球料理の「うりずん」。 既に周知されている、居酒屋の中の代表的な一軒ゆえ、すっかり観光地モードに陥っていないか気がかりに思いつつ、タクシーに乗り込みました。 処は、国際通りとひめゆり通りが交差する、ゆいレールでいえば安里駅近く。 通りから少し引っ込んだところに建つ、古色に艶ある二階家が「うりずん」だ。 なるほど超満員の店内。 予約の名を告げると、そのまま二階へと案内される。urizun01.jpg階段の踊り場の棚に並んだ、厚く埃を被った泡盛・古酒の瓶たちにご挨拶。 urizun02.jpg 額に入った「うりずんの歌」を見上げながら、座敷の卓につく。 オリオンと一緒にまずお願いしたのが、「ニガナの白和え」。urizun03.jpgニガナ(苦菜)は、ンジャナと呼んで、その名の通りほろ苦い葉なのだけど、豆腐と和えることで柔らかくいただける。 発酵の風味を感じたのは、白味噌あたりを添えているのか、それとも島豆腐の個性か。 urizun04.jpg続いて届いたのは、ご存知「スーチキ」。 都内の沖縄料理の店でもきっと定番になっているのじゃないかなの塩漬け豚肉だ。 適度に塩抜きしてあって、下に敷いたキャベツそして胡瓜と一緒に。 そして、「うりずん」オリジナルで人気ナンバーワンだというのが「ドゥル天」。 一見するに、それはただの素っ気ない揚げ物の表情。urizun05.jpg薩摩揚げかなにかを掴むような調子で箸を動かすと、意外な重量感のする。 「ドゥル天」の「ドゥル」はきっと、「どぅるわかしー」の「どぅる」。 田芋(たーんむ)にかまぼこや豚肉、椎茸を混ぜて揚げた、つまりは「どぅるわかしー天」なのだ。 珠玉な「どぅるわかしー」の作り手、彩香さんはどう思っているのだろうと余計なことを考えながら、熱々のところを齧る。 なるほど、唐揚げとは勿論違う田芋の魅力がホクホコトロンと伝わって悪くない。 「うりずん」店主がブレンドして、首里の蔵の甕で8年寝かせたという「特製古酒」を舐めながら、受け取ったのが、「魚てんぷら」。 衣に塩味ついてます、ってことでそのままでいただいてもいいのだけど、ソースでもどうぞとオカアサン。urizun06.jpgどうも風味が強過ぎるとウスターソースを好んでは使わないのものの、そう仰るのであればと試すと、角の丸いソースのせいか、白身魚の天ぷらに不思議なマッチング。 この白身、グルクンかなぁ。 古酒にはやっぱり、「豆腐よう」でしょうと注文んでみた。urizun07.jpgそうすると彩香さんの豆腐ようと比べてしまうことになる。 比べてしまうと、紅麹の風味が単調で、泡盛の角がまだ残っていて若い感じがする。 比べなければきっと、特別な遜色のない豆腐ようなんだ。 ちょっと野生な味わいもいかがと「血イリチイ」。urizun08.jpg豚肉の中身(内臓)を豚の血で絡め炒めたスタミナ料理だ。 それなりに匂うのだろうなと気構えて口にすれば、レバーに似た食感と風味の中身。 「くさいはうまい」派なので、喜んで食べちゃいますが、確かに、ちょっと遠いところで鉄分な香りがしなくもないので、苦手なひとは苦手かもしれません。 urizun09.jpgヨモギの入ったものが食べたいとのリクエストにお応えして、 〆にと「フーチバジューシー」。 ところがね、もしかして入れ忘れちゃった?ってくらいにフーチバが見当たらない。 ヨモギの風味がご飯を包んでいるのがウリなはずなんだけどね(笑)。

1972年創業の古酒と琉球料理の店「うりずん」。urizun10.jpg例えば初めて沖縄を訪れて、初めてだけどなんちゃってじゃない琉球料理をまずは愉しみたい、なんてニーズにしっかり応えてくれそう。 「うりずん」とは、旧暦の二・三月、春分から梅雨入り前までの頃を指す言葉。 海や大地に光が潤いが増してきて、空気が景色がビビットになり、わくわくしてくる時季を云うのだろうね。 なんと「うりずん」は、新丸ビルにも出店していようです。


「うりずん」 那覇市安里388-5[Map] 098-885-2178 http://www.urizn.gr.jp/
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