ひとまずその揚げたそばを齧りながら眺める品書きは、どうだとばかりに筆文字が迫る。
酒肴の品揃えもあれこれとバラエティがあって、例えば焼きものの中から選ぶ「うずらピョコピョコ焼」一串180円を二本ほど貰って、小さな玉子一個を口にしてはビールをくいっとして、また次の玉子でぐいっとする(笑)。燻製玉子のうずら版のような香ばしさがいいンだ。
そばを使ったつまみも幾つかあって、
「そば豆腐」は豆腐とそばがきと豆乳プリンの間にあるよな一品。
田楽風にタレが載せてあって、胡麻をふって。これはまぁ、ふ~ん、って感じ(笑)。
「そばコロッケ」ってのもあって、それは一見するに普通のコロッケ。
箸の先を割り入れると、中はやや鴬色がかったそばペースト。
もっちりまったりした、ちょっと不思議なコロッケなのです。
焼酎呑むなら、名物「そば湯割」かな。
さて、「百々亭」のおそばというと、品書きには「戸隠」「真田」「小布施」「信濃路」「田毎」などといった信州の地名などに因んだざる・かけに「鴨葱」「天婦羅」「山菜」などが織り込まれています。
例えば、揚げ茄子を頂いた冷やかけの「茄子」。
時には、大根おろしを山頂の雪に擬えているという「浅間」という手もある。
でもまぁ、素直に基本形の「戸隠」をざるでいただくのがよろしいようで。
ぼっち盛りと呼ぶ盛り付けをした笊から、盛り付けのままのひと束をつゆに浸して一気に啜る。ズ、ズズ、ズズズー。
つゆの甘さやほのかに残るエグみがちょっぴり気になるものの、
そばそのものの喉越し風味は悪くない。
うんうんと頷いて、ズズ、ズズズー。
ちょいと信州に小旅行しちゃってる気分が味わえるかも、の戸隠そば「百々亭」。外気が気持ちいい時季には、店先のテーブルで冷たいお酒をやっつけるのも、きっとオツなんだな。
大井町のお店については、ゆきむらさんのレポートでどうぞ。
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「百々亭」旗の台本店 品川区西中延2-15-19 [Map] 03-3783-0801
column/02816 @2,200-
百々亭、いいですよね。
私は、野菜系のつまみで、日本酒を飲むパターンは、
ここで覚えました。ふき味噌、野沢菜、あかかぶ、
山菜の天ぷら、こういうのと千曲川の冷酒があれば最高です。
冷酒頼むと、氷を入れた桶に入れてくれるのも好きです。
蕎麦の方は、酔っ払った後なのでそこまでたどりつけない
ことが多いです。
Re:fatricefarmさま
そうですね。
割とお昼に行くことが多かったのですけど、呑んじゃおうかなぁって時にもひたっとくる感じ。
江戸前の蕎麦屋呑みの系統とはちょと違う酒肴たちが呼んでますねー(笑)。