「肉吸い」の「千とせ」や洋食「しき浪」を思い浮かべる、
千日前の道具屋筋界隈。
讃岐で修行し、そこへ大阪うどんのエッセンスを融合し、感性の求めるがままに進化させている天晴れなうどん店があるという。
グランド花月の前を通り過ぎたその先辺り。
極普通の町場のうどん店な風貌がまた、いい。
入れ込み状態の店内。
人数を訊かれ、そのまま奥のテーブルで相席となりました。
その間でも耳に入ってくるのは、「ちく玉天ぶっかけ」というオーダーの声。
どうやら、それがダントツ人気の一杯のようです。
おねえさんに「同じく、ちく玉天ぶっかけ、温いヤツ」と告げます。
茹で上げとのタイミングにより若干時間がかかるのはむしろ当然のこと。
壁に貼られた芸人・芸能人の色紙をぼんやり眺めながら、ドンブリの到着を待ちます。
待っている客には、「あと2分ほどかかりますので、お待ちくださーい」とおねえさん。
忙しい中でそんな気遣い、プチ嬉しいじゃありませんか(笑)。
「はーい、ちく玉天ぶっかけ、でーす」。
届けてくれたドンブリには、20cmはゆうに越える長さのちくわ天ぷらと玉子の天ぷら。
檸檬の半月切りが添えられています。
テーブルの天かすをちょっとのせてから、おろし生姜を鏤めるように混ぜ回し、いざいざ。
ひと廻りふた廻り太い印象の麺には量感があって、柔そうでいて力強さがある。
讃岐に思う明快なコシつきとは違う、妖艶なプルフルがいい。
エロ旨いとはこのことか(笑)。
といって、しつこいかというとそんなことはなくて、とろけるようにあっけなく喉元を過ぎていく。
オヤジ、やるなぁ。
玉子の天ぷらを火傷しないようにそっと齧ると、あっけなく黄身が零れ出る。
天ぷらにしているのに中は半熟というのは、それなりの手管があるのだろうね。
レア気味に茹でておいた半熟玉子をさーっと揚げる感じかな。
道具屋筋で才気煥発「釜たけうどん」。
瀬戸内を渡り、大阪に土着した讃岐うどん店も少なくない中での、出色を思います。
口関連記事:
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「釜たけうどん」
大阪市中央区難波千日前4-20 せんだビル1F
[Map] 06-6645-1330
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