「オストレアカナワ」を背にして、真っ直ぐ進んだ裏通り。
電通通りとコリドー通りの間を往く小道の入口に置かれたスタンドの、ランチメニューの隅に目が留まりました。
「かき雑炊 あたたまります」。
散々つついた鍋の〆、という連想が働く雑炊をお昼どきにいただけるなんて、ちょっと乙じゃんね。
旬菜「青山」。
雑居ビルの二階へと階段を上がります。こじんまりして、あぁこんな店で呑む酒は旨そうだぁと何故だかそんな風に思わせる雰囲気を持っている。
カウンターの隅で、「かき雑炊を」と告げました。
ひとり土鍋にご飯を盛り、出汁を張り、コンロに載せる。
韮の青みもたっぷりと玉子でとじた表情はふっくら。
湯気を混ぜるようにして小椀によそって、ハフハフ、フ~。
ちょっと味付け強めにぐーっと旨味が厚みをもってご飯の間から滲みてくる。
玉子に韮の風味が小気味のいい挿し味で、ふるんと柔らかな牡蠣を食めば、はっとエキスが華開く。
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